今回は、窓(ガラス)の分かりづらい種類や記号について解説します。
「窓(ガラス)」の種類や記号も年々増加・多様化し、一般の方では読み取れない表現をされている資料もたまに見かけます。
一般的に多く使われるガラスの種類と内容は、以下の項目になります。
- 透明ガラス・・・ごく一般的なガラス
- 型板ガラス(すりガラス)・・・ガラス表面に凹凸をつけ、少し見えづらくしているガラス
- 合わせガラス・・・複数枚(基本は2枚)のガラス板に樹脂などの中間膜などを挟んでいる構造。車のフロントガラスによく使われる
- 複層ガラス・・複数枚(基本は2枚)のガラス板に空気を挟みこんだ構造のガラス、1枚ガラスより断熱性や遮熱性の効果大
- Low-Eガラス・・・ガラス板の表面に酸化スズや銀などの特殊金属膜をコーティングしたもの。ガラス自体の断熱性や遮熱性を上げる
- 網入りガラス・・・ガラスに鉄線が入っている、火災などの延焼や割れた時の飛散を防ぐため
- 強化ガラス・・・一般的なフロートガラスの3倍~5倍の強度を持つガラス
- 防犯ガラス・・・複数枚(基本は2枚)のガラス板に樹脂などの中間膜やポリカーポネート板などの特殊な板を挟んでいる構造
記号などは一覧表でまとめましたが、特にガラスなどはアルファベットで表現されていることが多く、しかも似ているため、困惑する原因になります。
意味が分かった方が覚えやすいので、それぞれ見ていきましょう。
窓(ガラス)の分かりづらい種類や記号
図面などに記載されている窓(ガラス)の種類や記号一覧になります。
窓自体はAW(アルミウインドウ)やJW(樹脂ウインドウ)など表記されると同様に、ガラス自体の記号も細かく分けられています。
図面表記 | 内容 | 英語表記 |
FLG | フロート板ガラス | Float Glass |
FG(F) | 型板ガラス | Figured Glass |
HAG(H) | 熱線吸収板ガラス | HeatAbsorbing Glass |
SRG(R) | 熱線反射ガラス | SolarReflective Glass |
HASRG(AR) | 熱線吸収熱線反射ガラス | |
HR | 高性能熱線反射板ガラス | |
T(TG) | 強化ガラス | Tempered Glass |
FTG | 型板強化ガラス | |
HSG(HS) | 倍強度ガラス | Heatstrengthened Glass |
LG(L) | 合わせガラス | Laminated Glass |
SIG(D) SG | 複層ガラス | Sealed Insulating Glass |
DSHA | 倍強度熱線吸収ガラス | |
PWG | 網入(磨き板)ガラス | Polished Wire Glass |
PWLG | 線入(磨き板)ガラス | Polished Wire Glass |
FWG | 網入型板ガラス | Figured Wire Glass |
FWLG | 線入型板ガラス | Figured Wire Glass |
AWG | 熱線吸収網入磨き板ガラス | |
AWL(HAPWLG) | 熱線吸収網入磨き板ガラス |
よく使われるのは「FG」や「PWG」ではないでしょうか?
ほとんどが、英語の意味の頭文字を抜粋しているので、英語表記も合わせて理解しておけば、凡例が無くても思い出しやすくなるかもしれません。
ガラスの種類によっては厚みの幅が変わってくるので、「FG(Figured Glass」を中心に抑えておきたいところですね。
ガラスの種類や記号表記と併せて、ガラスの厚みや空気層の厚みも表記されてたりします
サッシ・ガラスの資料の中には、種類や記号と合わせて、ガラスの厚みと空気層の厚みを表されていることも有ります。
例えば SG6.8+A6+6.8の場合、6.8mmのガラスの間に6mmの空気層がある複層ガラスを表します。
FL8やPW6.8などは、透明ガラス8mm、網入りガラス6.8mmなど、ガラスの種類→ガラスの厚みの順番で表記されているのが大半です。
分かりづらい窓(ガラス)の記号について解説。失敗しない住宅計画の基礎知識 まとめ
今回は窓の中でもガラスの種類や記号について紹介しました。
どちらかというより、消費者の方より建築関係者向けの内容になってしまいました。
ガラスの種類や厚みによっては、消防法上の有窓・無窓の判定基準になったりするので、ある程度は覚えておきたいものですね。
また別の機会に「Low-e」やエコガラス関係について記事にしたいと思います。