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特定防火設備(甲種防火戸)や防火設備(乙種防火戸)の種類や使い分けについて。

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今回は、ある程度の建築物に必須とされている「特定防火設備(甲種防火戸)」「防火設備(乙種防火戸)」について解説します。

防火設備」といっても色々あり、防火シャッターやドレンチャー設備など、延焼を防止する為に設けられる防火戸などを総称して「防火設備」として規定されています。

その中でも「特定防火設備」と「防火設備」に分かれており、遮炎性能や遮炎時間など、目的や使用箇所によって使い分けられます。

建築士の試験にもよく出題されるので特徴を抑えておきましょう。

建築基準法の防火設備とは?

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建築基準法の防火設備とは?

建築基準法で定めれられている「防火設備」は以下のようになります。

【防火戸その他の防火設備】
第 109 条 法第2条第九号の二ロ、法第 12 条第1項、法第21条第2項第二号、法第27条第1項(法第 87 条第3項において準用する場合を含む。

第110条から第110条の5までにおいて同じ。)、法第 53 条第3項第一号イ及び法第 61 条の政令で定める防火設備は、防火戸、ドレンチャーその他火炎を遮る設備とする。

出典:建築基準法施行令109条2、令136条の2の3

平成12年の改正前では「甲種防火戸」「乙種防火戸」と分類されていましたが、現在では「特定防火設備(旧甲種防火戸)」「防火設備(乙種防火戸)」に変更されています。

火災が発生した場合に火炎を遮ることができる装置などを表し、具体的な例としては「防火戸」「防火シャッター」「防火スクリーン」「ドレンチャー」

商品としては、認定品として製造されているので、建築のプランに合わせて選択することが大半になります。

防火設備の細かい性能の項目としては、

  1. 常時閉鎖か随時閉鎖。
  2. 閉鎖の場合、周囲の人の安全の確保ができる。
  3. 階段・廊下などに、設置する場合は避難上支障がないもの
  4. 常時閉鎖以外は、熱感知、煙感知により自動閉鎖が可能
  5. 一定の場合は遮煙性能を有する

緊急時においては、冷静な判断や避難に気を取られるので、自動的に火災から遮る機能(遮災)が前提とされています。

防火設備としてよく利用されるのは、網入ガラスの金属製サッシなどが該当し、開口部からの延焼の防止を目的とし、壁の開口部や防火区画の一部などに用いられています。

防火区画を貫通させる場合に用いる「防火ダンパー」も防火設備の一つになります。

特定防火設備とは?

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建築基準法の特定防火設備とは?

建築基準法で定めれられている「特定防火設備」は以下のようになります。

特定防火設備(第 109条に規定する防火設備であって、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後1時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。以下同じ。)

出典:建築基準法施行令112条1項

防火設備」より、更に厳しく設定されているのが「特定防火設備」になります。

火災などで温度が急に上昇した場合や煙が発生した場合に、自動的に閉鎖し、避難上支障がない性能をもつ商品(大臣認定で1時間耐火(遮災)性能があるもの)が該当してきます。

よく使用される場所として、防火区画防火壁などの開口部外壁の開口部避難階段の出入口部分などに用いられています。

特定防火設備と防火設備の違い

特定防火設備」と「防火設備」を表でまとめてみました。

特定防火設備防火設備
使用箇所防火区画耐火建築物または準耐火建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

防火地域または準防火地域内の建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

性能遮炎性能遮炎性能・準遮炎性能
遮炎時間1時間20分
認定番号EAEB,EC
構造内容(一部抜粋)

*メーカー等に確認が必要

 

・骨組が鉄製で、両面にそれぞれ厚さが0.5mm以上の鉄板を張った防火戸。

・鉄製で鉄板の厚さが1.5mm以上の防火戸

・防火戸が枠や他の防火設備と接する部分は相じゃくりとする。

定規縁若しくは戸当りを設ける等閉鎖した際に隙間ができない構造とし、防火設備の取付金物は、取付部分が閉鎖した時に露出しないようにする。

 

・鉄製で鉄板の厚さが0.8mm以上1.5mm未満のもの。

・鉄及び網入りガラスで造られたもの

・上記2点については、周囲の部分(が不燃材料で造られた開口部に取り付けが必要

・防火戸が枠や他の防火設備と接する部分は相じゃくりとする。

定規縁若しくは戸当りを設ける等閉鎖した際に隙間ができない構造とし、防火設備の取付金物は、取付部分が閉鎖した時に露出しないようにする。

防火区画の検討する上で、「特定防火設備」の配置なども合わせて計画する必要があります。

費用が伴う部分になるので、総合的に計画したいですね。

特定防火設備と防火設備 まとめ

今回は「特定防火設備」と「防火設備」について少しだけ紹介しました。

木造建築では機会が少ない「防火設備」ですが、ある程度の建築物になると必須の設備になり、建築基準法だけでなく、消防法との関連性も把握しなければいけません。

「防火区画」や「耐火建築物・準耐火建築物」などの理解も含め、総合的に考えていきたいですね。

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archi

普段は設計メインの建築エンジニア。 休日は趣味(スポーツ・遊び)を堪能する1児の父。 ハウスメーカーやデベロッパー、設計事務所などを渡り歩き、住宅から大規模建築まで様々な分野を取り扱うストロングスタイル! 所有資格/建築士/宅建士/AFP/古民家鑑定士/福祉住環境コーディネーター/大型免許・大型二輪/一級小型船舶免許操縦士他

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