引き続き、西洋・東洋建築史について簡単に解説しています。
ルネサンス建築からネオクラシズムまで、建築だけでなく絵画や彫刻などの芸術面での変化も追いかけると違った見方ができます。
ルネサンス建築
ルネサンス建築は、イタリアのフィレンツェからスタートした建築様式です。
その後、ミケランジェロなどの巨匠たちによってイタリアを発祥にヨーロッパ各地に渡り、300年程、ルネサンス建築が続きました。
特徴としては、今までの建築様式を復興させた場面もあり、アーチ構造や大理石、円柱や彫刻などバランスや均衡を重視し計画されています。
代表的な建築は、イタリアのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やサンピエトロ大聖堂などになります。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
ブルネレスキの設計による巨大なドーム形状の形を持つ大聖堂。
初期ルネサンス建築を代表し、ドゥオーモと言われる大聖堂、サン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジェットの鐘楼の3つの建築物で構成されています。
サンピエトロ大聖堂
バチカン市国にあるサンピエトロ大聖堂。
サンピエト大聖堂以外に、バチカン宮殿なども含めバチカン市国全体が文化遺産に登録されています。
聖堂のドームの部分を「クーポラ」と言い、ローマの町並みを見下ろすことができます。
高さが約120m,総面積は約5万㎡に値し、世界最大級の教会建築になります。
サンピエトロ大聖堂は長い年月を経て、幾人もの設計者や技術者により完成されています。
バロック建築
古典的で静的なルネサンス建築に対し、バロック建築は 動的な奔放さを感じさせるスタイルが特徴的です。
ルネサンス建築時代に構築された技術を元に、絵画や彫刻などの芸術面の要素を加味されバロック建築は表現されています。
代表的な建築にヴェルサイユ宮殿や、ルーブル美術館などが挙げられ、権力や財力の影響もあり、大きめの建築物が目だちます。
ヴェルサイユ宮殿
ヴェルサイユ宮殿はフランスの建築家ル・ヴォーとマンサール、美術家のル・ブランによって設計された文化遺産になります。
宮殿だけでなく庭園も有名で、フランスの絶対王権を表す形でルイ14世が建造されたとも言われています。
奔放かつ豪華なバロック建築の象徴を表し、現在でも年間500万人以上の人が訪れています。
ルーブル美術館
ルーブル美術館は他の大聖堂と同じように長い年月を経て完成されています。
その影響により、ルネサンス建築とバロック建築の要素も合わさっており、重厚感や壁画などが置かれている芸術品をより一層引き立てます。
平面的に「コの字」型の形なっており、真ん中のナポレオンホールを中心に3つの「翼」と言われるブロックに分かれています。
光の入り方や美術品までのアプローチなど、様々な部分で工夫された構造になっています。
ロココ建築
ロココ建築は、フランスのバロック建築の後期に誕生した、宮廷や室内建築に特化した建築スタイルです。
「ロカイユ」と言われる浮彫装飾が有名で、室内装飾でも多く用いられています。
バロック建築ほどの豪華さは無く、今までの建築様式の中でも機能性や実用性を重視しています。
ネオクラシズム
ネオクラシズム様式は「新古典主義」とも言われています。
ギリシャ建築やローマ建築の特徴であるシンメトリーやエッジのある構成を復活させ、建築や美術の場面で幅広く使われました。
バロック建築やロココ建築とは対象的な様式に位置付けられ、多くの分野に影響を与えました。
西洋・東洋建築史(ルネサンス建築からネオクラシズム) まとめ
今回はルネサンスからネオクラシズムについて記事にしてみました。
建築様式については、バロック建築やロココ建築のような奔放や豪華さもあれば、ネオクラシズムの時代でギリシャ・ローマ建築時代の古典的なスタイルに戻るなど、時代と共に変化を楽しめます。
「温故知新」のように古いものから何かを学べるのも、建築やデザインも同じですね。
次回は「近代建築」について触れてみたいと思います。