デンマークを代表する建築家「アルネ・ヤコブセン」
建築のみならずインテリアにも多くの作品を残し、特に家具デザインではモダン様式の手本とされています。
現在でも、「アルネ・ヤコブセン」の時計などが有名で、デザイン業界では欠かせない存在になります。
アルネ・イミール・ヤコブセンの生涯 デンマークが生んだ建築家
出典:Wikipedia
アルネ・ヤコブセンは、1902年、デンマーク、コペンハーゲンで生まれています。
当初は画家を目指していましたが、家族の反対などもあり、道半ばで挫折してしまいます。
その後、建築家のフレミング・ラッセンに建築を勧められ、デンマーク王立芸術アカデミーで建築を学びます。
1929年にフレミング・ラッセンと共にコンペに向けてモダニズムの形式をとった未来の家を発表し、モダニズムの旗手の一人としてデンマーク国内において一躍注目を集めます。
1930年代にコペンハーゲンのクランペンボーの海岸沿いに、レストランや劇場の隣接するリゾート型複合住宅を建設するコンペに当選し、『ベラヴィスタ集合住宅』などの大規模リゾート計画を手がけます。
スウェーデンへの亡命によりキャリアが中断していた時期もありますが、第二次世界大戦終了後はデンマークに戻り新たに家具デザインのスタイル発表しています・。
その時に「アントチェア」「スワンチェア」「セブンチェア」「エッグチェア」など後世にも残る作品を数多く作りました。
アルネ・ヤコブセンが残した建築
アルネ・ヤコブセンは数多くの建築を世に残しました。
住宅から公共建築まで幅広く手掛け、デンマークにはヤコブセンの名残を多く感じることができます。
ベラヴィスタ集合住宅
出典 : Wikipedia
ベラヴィスタ集合住宅は1934年に竣工したクランペンボーの海岸沿い建てられた集合住宅。
リゾート型複合住宅を建設するコンペに当選した時のヤコブセンの初期作品。
オーフス市庁舎
出典 : Wikipedia
デンマークのオーフスにある1941年に完成したオーフス市庁舎は、デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンとイーレク・ムラの設計により設計されました。
塔・ホール棟・高層棟・低層棟の4棟から構成されており、中央に位置する高層棟は5階建てのオフィス、公園通りに面する低層棟は2階建となっています。
高さ60mの塔に付属する時計は7mほどあり、町のシンボルとしても位置付けられ、市庁舎前にはオーフス市庁舎公園があり、そのままオーフスコンサートホールへと続いています。
ラディソンSASロイヤルホテル
出典 : Wikipedia
アルネ・ヤコブセンの最高傑作といわれている「ラディソンSASロイヤルホテル」。
1960年に竣工し、ヤコブセンがカーペット・ドアノブ・家具・照明などの細部にいたるところ、すべてのデザインを手がけたというデザインホテル。
21階建て、地上70メートルの高さを誇る超高層ホテルは、客室のある高層部とエントランスのある低層部の2つに分かれており、内装にもヤコブセン由来の椅子などのインテリアが多く採用されています。
デンマーク国立銀行
1971年に工事がスタートしたデンマーク国立銀行。
外観は全面ガラスのカーテンウォールと大理石との組み合わせ。
ヤコブセンが初めての国家レベルの作品でしたが、完成を見ずにこの世を去っています。
5分で読めるアルネ・ヤコブセン デンマークを代表する建築家 まとめ
今回はデンマークを代表する建築家アルネ・ヤコブセンを紹介しました。
時代の影響を受けながら建築の道を進み、建築のみならず家具などのインテリアにも多くの作品を輩出し、現在のモダン様式の手本とされています。
近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエからも多く影響を受けていると語っており、ヤコブセンの作品も三大巨匠の作品に劣らないデザインは現在でも多くの影響を与えています。
次回は、ヤコブセンのインテリアについて紹介しようと思います。