鎌倉時代は、1185年から1333年の約150年もの間の区間を表し、建築の分野も様々な変化が起こりました。
中国との国交が復活し、新形式の建築様式が伝来します。
混在しないように「和様」「大仏様」「禅宗様」と分け、今までの建築様式を「和様」、新建築様式を「大仏様 」「禅宗様」と呼び、区別を行っていました。
奈良時代や平安時代と続いた貴族文化も、鎌倉時代から武家政権へと変化し、豪華な装飾が主流だった内容から質素な形へと移行していきます。
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鎌倉時代の建築の特徴 武家造・和様建築・禅宗様・大仏様建築
武家造
武家造は寝殿造などと比べ、余計な装飾などを取り払い、実用性に特化させた建築様式になります。
鎌倉時代から武家造が登場するようになり、幕府の将軍のための屋敷として建築がされることが影響にあります。
間取りや装飾なども変化だけでなく、建築の材料なども異なっています。
武家造では板敷きに藁葺きの組み合わせが主流で、後の「書院造」へと影響を与えています。
和様
和様建築は、鎌倉時代に中国から伝わった建築様式に対し、平安時代からの寺院建築が代表的です。
柱の固定変わりに長押(なげし)を使ったり、縁側を作るなどの特徴があります。
平等院鳳凰堂や金剛峯寺不動堂、当麻寺本堂などが和様建築における、代表的な建築物にあたります。
和様建築の代表建築 平等院鳳凰堂と当麻寺本堂 出典:wikipedia
大仏様
大仏様も寺院建築の一つで禅宗様と似た特徴を持ち、日本の僧、重源によって伝えられた建築様式です。
天井がなく垂木など屋根裏が見えたり、禅宗様でも使われている貫(ぬき)と言われる方法を用いられているのも特徴の一つです。
東大寺の南大門 や開山堂などを中心に、大仏様は取り入れられています。
大仏様の代表的建築 東大寺開山堂 出典:Wikipedia
禅宗様(ぜんしゅうよう)
禅宗様は、禅宗と合わせて日本に伝わってきた中国(宋)系の建築様式にあたります。
上記の大仏様の似た要素を持ち合わせています。
特徴としては、貫(ぬき)を多用した構造の補強、扇垂木(放射状の垂木)、火灯窓(かとうまど)、詰組柱と柱の間にもを入れる組物)、弓欄間、桟唐戸(桟と框の間に入子板を嵌め込む)など色々あります。
円覚寺舎利殿や正福寺地蔵堂が代表的な建築物にあたります。
禅宗様の代表的建築 円覚寺舎利殿(写真上)と正福寺地蔵堂(写真下) 出典:Wikipedia
鎌倉時代に建てられた東大寺南大門
東大寺南大門は、東大寺大仏殿へ向かう道中に位置する、高さ25m(ビルやマンションなら7階~8階相当)を誇る大門になります。
大仏殿や五重塔は奈良時代に建てられましたが、南大門は鎌倉時代に再建されています。
構造の役割を果たす柱は、大円柱の形状で18本も有り、柱の長さだけでも21mとされています。
中には、向かい合う形で金剛力士像(仁王像)が待ち構えています。
写真では大きさが伝わりにくい 東大寺南大門(仁王像) 出典:Wikipedia
鎌倉時代の建築の特徴や様式。武家造・和様建築・大仏様建築など まとめ
建築の特徴として紹介した「和様」「大仏様」「禅宗様」からの応用で「折衷様」や「新和様」などの方法も誕生しています。
「折衷様」は「和様」を主体とし、大仏様と禅宗様を混合させた様式、「新和様」は「和様」を主体とし、大仏様だけの要素を加えた様式になります。
色々な文化や技術が伝来し、建築技術や様式も多様化し始めます。
基本となる和風建築の原点が確立される経緯も感じられるので、建築目線でも興味深い時代ですね。
また引き続き紹介していきます。
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