前回に引き続き、バリアフリー法の概要について紹介します。
バリアフリー法の中でも、
- 公共交通移動等円滑化の基準
- 道路移動等円滑化の基準
- 路外駐車場移動等円滑化の基準
- 都市公園移動等円滑化の基準
- 建築物移動等円滑化の基準
上記のように分かれており、今回は「建築物移動等円滑化の基準」に特化して解説します。
義務付けの基準と誘導基準があるので、それぞれについても見ていきます。
バリアフリー法(建築物移動等円滑化基準)チェックリスト基準
バリアフリー法で定められている敷地内の通路に関する項目です。
よくチェックリストなどでまとまられているので、計画の時などに活用できたりします。
(一般)敷地内の通路
敷地内の通路の項目(一般)になります。
基本的な内容なので見ていきましょう。
①表面は滑りにくい仕上げである
②段がある部分について
- 手すりを設けている
- 識別しやすいもの
- つまずきにくいもの
③傾斜路
- 手すりを設けている(勾配1/12以下で高さ16cm以下又は1/20以下の傾斜部分は除く)
- 前後の通路と識別しやすいもの
道路面から建築物の入口までのアプローチなどが対象になってきます。
通路の仕様やグレードによって影響が出そうですが、上記の内容は抑えていきましょう。
<移動等円滑化経路>
第18条第2項第一号における「移動等円滑化道路」についてです⇩
①階段・段が設けられていないか
(傾斜路又はエレベーターその他の昇降機を併設する場合は除く)
階段・段が発生しそうな場合はスロープも含めて検討したいですね。
「移動等円滑化経路」敷地内の通路
「移動等円滑化経路」の敷地内通路についてのルールは以下のようになります⇩
①幅は120cm以上である➩建具幅や壁の芯々ではないので注意
②区間50m以内ごとに車いすが転回可能な場所がある➩共同住宅やホテルの場合は、EVホール前と兼用したりしますね。
③戸は車いす使用者が通過しやすく、前後に水平部分を設けている
④傾斜路
- 幅は120cm以上(段に併設する場合は90cm以上)である
- 勾配は1/12以下(高さ16cm以下の場合は1/8以下)である
- 高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊場を設けている (勾配1/20以下の場合は除く)
「移動等円滑化経路」の敷地内通路の基準については、具体的な数字が出てきます。
基本的な数字を覚えておくと、各建築物の計画にも使えるので作業が捗ります。
バリアフリー法(建築物移動等円滑化誘導基準)チェックリスト基準
次にバリアフリー法(建築物移動等円滑化誘導基準)のチェックリスト基準についてです。
「誘導」の内容なので、前向きに取り入れたいですね。
(一般)敷地内の通路
①幅は180cm以上である➩車椅子のすれ違いなどを考えるとこれぐらいが望ましいです。
②表面は滑りにくい仕上げである
③戸は車いす使用者が通過しやすく、前後に水平部分を設けている
④段がある部分
- 幅は140cm以上である(手すりの幅は10cm以内までは不算入)
- けあげは16cm以下である
- 踏面は30cm以上である
- 両側に手すりを設けている
- 識別しやすいもの
- つまずきにくいもの
⑤段以外に傾斜路又は昇降機を設けている
⑥傾斜路
- 幅は150cm以上(段に併設する場合は120cm以上)である
- 勾配は1/15以下である
- 高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊場を設けている (勾配1/20以下の場合は除く)
- 両側に手すりを設けている(高さ16cm以下又は1/20以下の傾斜部分は除く)
- 前後の通路と識別しやすいもの
「建築物移動等円滑化基準」より厳しい基準になっています。
それぞれのバランスを考えながら計画に反映したいものです。
バリアフリー法(建築物移動等円滑化の基準)敷地内の通路 まとめ
今回はバリアフリー法(建築物移動等円滑化の基準)敷地内の通路の基準について紹介しました。
バリアフリー法はいくつかの項目に分かれているので、細かい数字を把握していこうと思うとかなりの量になります。