TVのCMでもお馴染の積水ハウス。
ハウスメーカーの中でも1、2の実績を持ち、構造・階数問わず様々な企画住宅を提供しています。
現在もハウスメーカー業界を牽引しながら、技術能力の躍進にも力を注いでいます。
その積水ハウスの中でも、軽量鉄骨造1、2階ての住宅に注目してみました。
積水ハウスとは?
積水ハウスは、1960年にその前身となる「積水ハウス産業株式会社」を設立し、1963年に現在の商号である「積水ハウス株式会社」にされた大阪に本社を置く住宅メーカーになります。
設立当初は、プラスチックを材料とした住宅を生産していました(積水化学工業が母体のため)が、コスト等の問題により断念され、現在の鉄骨とプラスチックのハイブリッド商品を誕生させ、主力商品として事業を展開されています。
現在は、「鉄骨系プレハブ住宅」「木質系プレハブ住宅」の両方を販売しており、鉄骨系プレハブ住宅については、低層階用の「ISシリーズ」「Beシリーズ」、中層住宅(3・4階)については「ビエナシリーズ」など構造的特徴を考慮した企画商品を取り扱っています。
木造住宅においても「木造工法」として「SHAWOOD(シャーウッド)」や「マキシオ」など、顧客のニーズに合わせたバリエーションで提供されています。
戸建て住宅だけでなく、資産運用・土地活用からの事業モデルとしても「賃貸住宅」の企画商品も欠かせません。
賃貸住宅のビジネスモデルとしては「シャーメゾン」としてブランド化に成功し、戸建・賃貸ともに全国で積水ハウスの商品が見受けられます。
積水ハウスの家づくり 軽量鉄骨住宅(1.2 階)
戸建て住宅の主流といえば、平屋・2・3階建てになります。
積水ハウスの住宅商品の中にも、使い方が分けられており、主に階数や仕様によって以下の構造の種類に分類されます。
- 軽量鉄骨造(1、2階建て)
- 重量鉄骨造(3、4階建て)
- 木造
商品ごとに、意匠・構造・設備のマニュアルが制定されており、
積水ハウスの軽量鉄骨住宅(1.2 階)の構造
「ダイナミックフレーム・システム」
「ダイナミックフレーム・システム」は、
地震動エネルギー吸収システム「シーカス」
剛性床や構成する梁、屋根加構を構成するトラス。
それらをボルト接合しながら組み上げていく方法になります。
それらにより、最大7mのロングスパン、天井高2.
制振構造「シーカス」
積水ハウスの「シーカス」は、
「ダイナミックビームR/K」
積水ハウスが設定している標準梁の、5倍強度「
積水ハウスの家づくり 軽量鉄骨住宅(1.2 階)の企画商品
IS STAGE(イズステージ)
積水ハウスの最高級ブランドとして位置づけされている「IS STAGE(イズステージ)」
鉄骨造1・2階建てを基本構造とし、切妻屋根とダインコンクリートを組み合わせたプロポーションは、風格ある佇まいを見せてくれます。
ダインコンクリートの基本厚が50mmとカタログに記載あります。
従来の鉄骨造に使われるALC版の100mm〜150mm厚。押出成形セメント版の60mm厚並みの技術が集約されているでしょう。
IS ROY-E(イズロイエ)
「IS ROY-E(イズロイエ)」も「IS STAGE(イズステージ)」と同様に鉄骨造1・2階建てを基本構造とし、勾配屋根とダインコンクリートの組み合わせは「イズステージ」にも退けをとりません。
Be・mode(ビー・モード)
ISシリーズとは打って変わり、BEシリーズでは、仕様関係などがスタンダートな構成となっており、ISシリーズでは外壁にはダインコンクリートを標準としていた部分がBEシリーズではエコルデックウォールになります。
構法についても「ユニバーサルフレーム・システム」となり、鉄骨系軸組構法として構成されています。
「ユニバーサルフレーム・システム」は「ダイナミックフレーム・システム」より劣りますが、6mスパンが可能など十分な仕様とも思えます。
BEシリーズでは、「ビーモード」の他に「ビーサイエ」「ビーモードジェント」などがあります。
積水ハウスの家づくり 重量鉄骨住宅(3.4 階)の構造
フレキシブルβシステム
「フレキシブルβシステム」は、従来の重量鉄骨ラーメン構造を、積水ハウス独自で考案された、設計度の自由度が高く、優れた耐震性能を兼ね揃えたオリジナル構法になります。
構造躯体はH型鋼の柱・梁を採用し、接合部にもハイテンションボルトを使われ、中高層ビルにも見劣りしないフレームを形成しています。
「WHビーム」「WHコラム」といった高強度の部材を組み合わせることにより、大開口を実現できるフレキシブルな間取りが実現できます。
積水ハウスの家づくり 重量鉄骨住宅(3.4階)の企画商品
BIENA(ビエナ)
BIENA(ビエナ)は、外壁材にジェルテック・コンクリートを採用し、構造体にはフレキシブルBシステムを採用した積水ハウスの「3・4階建て」に特化した企画商品になります。
「3・4階建て」の場合、斜線制限等にも干渉のおそれがありますが、柔軟な勾配屋根を組み合わせることにより、実現可能となります。
モジュールも250mmピッチで対応することができ、複雑な敷地条件などにも対応できる商品となっています。
今回は積水ハウスの鉄骨住宅の商品を紹介しました。
低層住宅でもダイナミックな空間を作ることができ、重厚感のある仕様など、洗練された知識と技術が集約されています。
重量鉄骨を採用した3・4階建て住宅の方でも、フレキシブルな構造により、自由度の高い設計が可能とされています。
次回は他メーカーの特徴などについて紹介していきます。