建築物を利用する上で、空気の循環は必要不可欠になります。
建築基準法でもルールが定められており、人が継続的に使用する「居室」を中心に適用(居室以外もあり)され、その換気方法も大きく分けて「自然換気」と「機械換気」の二つに分かれます。
居室には換気のための「窓」やその他の開口部を、その居室の床面積の1/20以上設けなければいけません。
もしくは機械換気など、技術基準に適合した換気設備を設けた場合は免除されます。
居室以外にも、調理室や浴室などで火気を使用する設備・器具を設けた部分が対象になるので注意が必要です。
自然換気
自然換気は文字の通り、自然の通風や空気の温度差による効果を利用するもので、パッシブ換気(受動的)とも呼ばれています。コスト面などは機械換気と比べ抑えることができますが、常に一定流量を確保することが厳しい状況が生まれます。
風力換気
扉・窓(実際の風をとりこむことができる面積)などの通気口を2箇所以上設け、その風圧差を利用する換気方法です。
もちろんFIX窓などは対象外になります。
温度差換気
煙突効果・重力換気の方法で 、 室内の空気が暖かいと比重が小さくなり、上昇する性質を利用したもの。
風がない状態でも、室内の温度差で換気が行われる方法
機械換気動力を利用する「機械換気」
機械換気とは、自然換気とは対照的に外気を取り入れる送風機とそれを排出する排風機を使用する換気方法になります。
機械を使うためコストが発生してしまいますが、状況にかかわらず室内の温度や湿度を調整できるのがメリットです。
機械換気は、「第1種換気」「第2種換気」「第3種換気」に分類されます。
「第1種換気」
「第1種換気」は、送風機やファンなどの機械を使用し、給気・排気を行う換気方法です。
給気と排気の両方に機械を使用する利点として、居室内部の室内温度や風量関係を細かく設定ができ室内圧も負圧にも正圧にもできます。
熱などが籠りやすかったり、人が多く集まる商業施設などで多く取り入れられています。
「第2種換気」
「第2種換気」は排気は自然換気、給気のみを機械で行う方法です。
衛生管理が必要となる室内で導入されることが多いため、手術室やボイラ室などが対象になってきます。
強制的に空気を取り込むことができるので、常に綺麗な空気を居室内に取り入れることがメリットです。
「第3種換気」
「第3種換気」は、給気は窓などの自然換気で行い、排気には機械で排風するという換気方法になります。
室内の空気を強制的に外に排出できるので、トイレやキッチンのレンジフードなどの臭いや熱が充満しやすい空間に使われます。
自然換気・機械換気の種類(第一種換気、第ニ種換気、第三種換気、)まとめ
自然換気と機械換気のちょっとした概要を紹介しました。
それぞれの換気量の算定式などを含めると複雑になるので、種類のタイプや特徴を理解しておくだけでも役に立ちます。
換気の別の項目については、また改めて解説します。