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建築物の環境負荷低減方法②屋上緑化

建築物の環境負荷低減方法②屋上緑化

今回は、建築物の環境負荷低減方法の一つ「屋上緑化」について触れてみたいと思います。

建築物を「屋上緑化」をすることにより、建築物にどういったメリットがあるか。

具体的な指針や方法なども紹介します。

建築物の環境負荷低減方法の一つ「屋上緑化」とは

建築物の環境負荷低減方法の一つ「屋上緑化」とは、建築物の保護・断熱効果の向上、景観上の配慮を目的とされ、屋根や屋上に「植物」などを植える事を表します。

行政によっては、ある程度の以上の敷地・建築物の大きさになると、何%の割合で「敷地緑化」「屋上緑化」「壁面緑化」など細かく指定されているところもあります。

昔から「土屋根」などの草で覆う方法がありますが、環境負荷低減上では「屋上緑化」は、陸屋根に設置する「緑化」を表すことが多く、防水やメンテナンスも考慮した選定が必要なため、複合的な知識が問われることがあります。

標準的な屋上緑化計画「東京都緑化計画の手引き」よりの参考画像

標準的な屋上緑化計画「東京都緑化計画の手引き」より

「屋上緑化」のメリット

屋上緑化のメリットになります。

コストが掛かる分の効果として期待できるものが多いです。

ステップガーデンと呼ばれている「アクロス福岡」 周辺都市部よりも低い温度になっているの参考画像

ステップガーデンと呼ばれている「アクロス福岡」 周辺都市部よりも低い温度になっている

夏季の日差しを防いで、ヒートアイランド対策

郊外に比べ、都市部の方が気温が高くなる「ヒートアイランド」の対策しても効果的です。

建築物への直射の軽減だけでなく大気汚染の浄化や雨水の流出抑制なども期待できるのも要因の一つです。

景観の向上

建物の利用性の向上はもちろんのこと、近接地域との連動性が生まれ、緑からは温かく柔らかいイメージを与える印象があります。

低木・中木・高木を組み合わせることにより、「緑」を立体的に感じることができ、壁面緑化を組み合わせると効果はバツグンです。

防音性・断熱性の向上

マンションやオフィスビルの屋上を緑化する場合、屋上から直下階に対する足音などの音を軽減することができ、断熱性に関しては、屋根からの熱負荷が低減されるので、空調機冷房運転の負荷も連動して軽減できます。

屋上緑化が外断熱の役割も兼ね、保温効果を促し予熱負荷が下がる面も期待できます。

各自治体により「緑化率」を求めてくるところも増えている

約1000㎡以上の敷地や、ある程度の建築面積以上の場合に緑化率をさだめている行政も少なくありません。

条件を満たせば、助成金などの補助もあり、推進のための施策も複数あります

東京都の具体例(一部抜粋)

東京都の緑化基準の一部抜粋東京都緑化計画の手引き」よりの参考画像

東京都の緑化基準の一部抜粋東京都緑化計画の手引き」より

敷地面積の希望によって計算率が定められており、「地上部」「建築部」それぞれに掛け率が設定され、道路面に接道している部分の緑化も「接道緑化率」として定められ、周辺環境と連動した「緑化」の設置が求められる傾向にあります。

「緑化」に関する部分だけでも、届出や申請業務が伴ってくるので、計画的に進めていきたいですね。

屋上緑化の具体例

JR恵比寿ビル

都心の駅ビルでも屋上緑化を実現している例になります。

高木樹木とウッドデッキを組み合わせ、利用者に落ち着ける空間を提供しています

東京都 既存建築物屋上緑化事例集「JR恵比寿ビル」の参考画像

東京都 既存建築物屋上緑化事例集「JR恵比寿ビル」

ホテルニューオータニ

1964年に竣工した「ホテルニューオータニ」の屋上の一部を、レストランや客室からのの眺望・景観向上の観点から「緑化」を実現させています。

高層での緑化の設置のため、固化成型緑化基盤等、様々な工夫が取り入れられています。

東京都 既存建築物屋上緑化事例集「ホテルニューオータニ」の参考画像

東京都 既存建築物屋上緑化事例集「ホテルニューオータニ」

なんばパークス

大阪の難波駅に隣接する「なんばパークス」

GLから地上9階まで連続した 段丘上のガーデンの実現により、高層建築等に囲まれた環境でも、主張を保ちつつ周辺環境に温かい空間を演出しています。

なんばパークス  パークスガーデン(ホームページより)の参考画像

なんばパークス  パークスガーデン(ホームページより)

なんばパークス  フロアマップ(ホームページより)の参考画像

なんばパークス  フロアマップ(ホームページより)

建築物の環境負荷低減方法②屋上緑化の効果 まとめ

今回は「建築物の環境負荷低減方法②屋上緑化の効果」について紹介しました。

大規模な商業施設を中心に、建築い対する「緑化」の考え方は年々強くなっている傾向にあります。

「地上部」「建築部」とぺリメーターゾーンを中心に意順が掲げられていますが、内部にも緑化を取り入れることにより、外部との連続性が生まれ省エネ化も期待できます。

「緑」との繋がりをもった建築物がスタンダートとして増えつつあるので、今後も個性的な景観が生まれるのも楽しみになります。

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archi

普段は設計メインの建築エンジニア。 休日は趣味(スポーツ・遊び)を堪能する2児の父。 ハウスメーカーやデベロッパー、設計事務所などを渡り歩き、住宅から大規模建築まで様々な分野を取り扱うストロングスタイル! 所有資格/建築士/宅建士/AFP/古民家鑑定士/福祉住環境コーディネーター/大型免許・大型二輪/一級小型船舶免許操縦士他

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