1603年に徳川家康が江戸に幕府を開いてから、約265年続いた江戸時代。
文化や生活様式が変化するだけでなく、建築様式や特徴も大きく変化しました。
大規模な建築では、「二条城」や「日光東照宮」などが挙げられ、徳川家にまつわる建築が多いのも特徴の一つです。
住まいに関しても、安土桃山時代に誕生した茶室や数奇屋造りから、江戸時代では材料や工法にこだわりが与えられ、日本文化独特の「わびさび」が様式として確立していった時代になります。
そんな「江戸時代の建築の様式や特徴」について紹介します。
⇧スキマ時間で一級建築士を学習するならスタディング
⇧インテリアコーディネーターと二級建築士の特化した専門校ハウジングインテリアカレッジの通信講座
江戸時代の建築の様式や特徴
江戸時代では主流だった長屋という住まい
江戸時代の土地は、江戸幕府の所有として記録されています。
個人で土地を所有することは許されておらず、幕府と大名と地主との関係性の中で「長屋」を建て貸すという流れになります。
当日の建築方法も、木材がメインで使われているため、火事などの延焼も含めた災害関係には弱く、何かあった場合は取り壊すというサイクルができていたと思われます。
また、京町屋などに表されているように、当時の家屋などに対して掛かる税金なども、道路に面している間口などを基準としており、「鰻の寝床」と言われるような細長い間口の住宅が所々で見られるようになりました。
江戸時代の代表的な建築物
二条城
京都にある二条城は、江戸時代に京都の守護や上洛時の宿として、徳川家康が建てた城になります。
1994年に「古都京都の文化財」の一つとして登録され、約400年の歴史と当時の建築技術の最高レベルが詰め込まれています。
二条城の「二の丸御殿」の大広間では、政権を朝廷に返還する申し出「大政奉還」が行われたことでも有名です。
二の丸御殿以外にも、二の丸庭園、唐門など、国宝文化財として登録されている建造物も数点有り、何度か焼失などの危機に見舞われますが、一部を除き現存している建物もあります。
日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)
日光東照宮 出典:Wikipedia
日光東照宮は、栃木県日光市にあり、5件8棟もの建築物が国宝に指定されている神社になります。
徳川2代将軍秀忠公が徳川家康公を祀る形で東照宮を建てられました。
配置的にも、江戸城の真北に位置しており、風水的なパワースポットとしても有名です。
門、回廊、唐門、拝殿、本殿を合わせて5000点以上にもなると言われている美しい装飾も有名ですが、そのほとんどが「陽明門」に集約されています。
装飾自体も色々な種類の動物(代表的なのは、見ざる・言わざる・聞かざるなど)の木彫り像が存在します。
陽明門は、その装飾の凄さから「日暮御門」と名付けられており、その意味は、1日中見ていても飽きないところから由来しています。
日光東照宮は、陰陽道の影響もあり、主要な建物を線で結ぶと「北斗七星」の配置となるよう設計されていたり、当時の建築や天文学でも難易度の高い技術が盛り込まれています。
桂離宮
桂離宮 書院群 出典:Wikipedia
桂離宮は、京都市西京区の桂にある皇室関連施設として建築されました。
建物と庭園が一体となった最古の回遊式庭園として有名で、海外の建築家達からも高い評価を経ています。
桂離宮の建造物は、書院群と御茶屋群で構成されており、古書院、中書院、新御殿は入母屋造構造。
杮板という屋根などで書院造かつ数寄屋風の要素も兼ね揃えています。
庭園には、茶屋、築山、州浜、橋、石灯篭などが回遊式に配置されており、時間の経過を忘れさせてくれるような空間をそれぞれが演出しています。
江戸時代の建築の様式や特徴。二条城・日光東照宮・桂離宮 まとめ
江戸時代は約265年続いたこともあり、よく始期・中期・後期と分けられたりします。
特に始期・中期においては「鎖国」を行っていたことにより、国内のみでの文化の発展と技術の向上に限定されていました。
明治にかけて建築も近代化が加速していくのですが、本来の日本の和風住宅の原点的な物は、奈良や平安時代から始まり江戸時代で一旦完成しているとも言えるのではないでしょうか?
建築などが多様化していく中で、日本の気候や生活にあった建築を見直すにも、江戸時代の歴史に触れてみるのも面白いかもしれません。
⇧スキマ時間で効率的に学習するならスタディング
スキマ時間で資格を攻略
- 一級建築士や二級建築士も、限られた日々の時間の中で合格したい方
- 効率よく、試験に出題されるところ知りたい方
- 独学は不安だが、大手資格学校の費用は負担できない方
- 試験対策をスマホで勉強したい方