前回に引き続き、西洋建築史のピサンチン建築からゴシック建築までの内容になります。
西洋・東洋建築史(中世)
ピザンチン建築
ピザンチン建築は東ローマ帝国を中心に発達建築様式です。
元々はローマ帝国として栄えていたのですが、ローマ帝国が東西に分裂し西ローマ帝国方法は滅びてしまいます。
残された東ローマ帝国の首都コンスタンティノーブルを中心にピザンチン建築が確立され、大理石の張り石や大ドーム、モザイク壁画が特徴の一つで、建築様式だけでなく装飾の意味合いでもピザンチン様式という言葉が使われています。
ピザンチン建築様式で有名なのが、「ハギア・ソフィア大聖堂」や「サン・マルコ大聖堂」です。
ハギア・ソフィア大聖堂
出典:Wikipedia
ハギア・ソフィア大聖堂は、コンスタンティノーブルに建設されたキリスト教の聖堂です。
大規模な石造建築で構成されており、建物の上部は直径30m以上の巨大なドーム構造となっています。
内部もモザイク画や様々な地域から集められた大理石によって、豪華に装飾されています。
サン・マルコ大聖堂
出典:Wikipedia
イタリアのベネチアに位置し、9世紀に建てられ現在まで何度か改築されながら貴重なピザンチン建築の遺産として残されています。
改築の影響により、ピザンチン建築だけでなく、ゴシック建築、ルネッサンス建築、ロマネスク建築などが混在し、建築様式の歴史が感じられるのもサン・マルコ大聖堂の見所の一つ。
黄金のモザイク画などが有名で、構造もドーム形状でピザンチン建築の代名詞としても広まっています。
イスラム建築
出典:Wikipedia
「モスク」など、イスラム教の施設として多くの建築を残しているイスラム建築。
タージ・マハルなどが有名で、構造的な要素より、内装や模様の美しさの方に着目される建物が多い。
文字の装飾と幾何学模様の発展により、アラベスクなどイスラム建築を飾る技術も多岐に渡る。
イスラム建築はイスラム文化による建築を表すことが多いので、世界中に多くの遺産が残っています。
ロマネスク建築
出典:Wikipedia
写真はマリーア・ラーハのベネディクト会大修道院教会堂
西暦1000年から1200年頃に中世ヨーロッパで栄えた建築様式がロマネスク建築。
教会や修道院などの建築に技術が集約されており、厚い壁と円形アーチや、小さな窓が特徴的。
代表的な建築は、ピサの大聖堂やクリュニュー修道院で、後の建築様式にも影響を与えています。
ゴシック建築
12世紀後半から、フランスを中心に栄えたゴシック建築。
イギリスやドイツなどにも広がっていき、約300年程ヨーロッパの方で、様々な建築物が建造されました。
リブヴォールドと言われる円形状の天井や頭の尖ったアーチ、フライングバットレスなどが特徴で、装飾だけでなく構造の要素が加味された複合的なデザインが今までの建築と違うところです。
代表的な建築がいくつか有り、世界遺産にも登録されています。
ノートルダム大聖堂
出典:Wikipedia
フランスのパリのシテ島にあるノートルダム大聖堂。
ナポレオンを含め、歴代の国王の戴冠式が行われていることでも有名で、ゴシック建築の特徴である、尖ったアーチやリブヴォールドなどがふんだんに使われています。
内部・外部ともに繊細に造られており、どの角度からも美しく表現されています。
ケルン大聖堂
出典:Wikipedia
ドイツのケルン市にあるケルン大聖堂。
高さが約150m程あり、ゴシック建築の中でも最大の大きさの建築物になります。
完成にも600年以上も掛かったとも言われ、過去には周辺の環境などにより危機にさらされましたが、長い月日を越えた今でも現存しています。
建築自体も、ゴシック建築の象徴と言われる装飾やリブヴォールドなどの形状が形成されており、美しさを引き立てています。
西洋・東洋建築史 まとめ
それぞれの年代や時代ごとに代表的な建築が有り、連動して覚える方がいいかもしれません。
時系列で見ていくと、建築技術やデザインの変化なども楽しめます。
次回はルネサンス建築の周辺にスポットを当ててみます。