今回は、新築やリフォームの計画中の方向けに、瓦の中でも耐久性や耐候性、デザインの良さを上手く組み合わせた「ハイブリッド瓦」について紹介します。
「瓦」は日本家屋の象徴として、様々な場面で利用され、日本の建築史と共に歩んできたといっても過言ではありません。
従来の「瓦屋根」では、1坪に約200㎏以上の荷重が置かれている状況になります。
建築面積10坪~20坪の住宅では、2000㎏~4000㎏の重量条件が屋根だけに換算され、車数台が建物の上部にあることになります。
従来の瓦の耐久性や美しさを意識しながら、先進技術を導入した新しい瓦のことを指し、建物への負担軽減も期待できるのが「ハイブリッド瓦」
耐震などの各機能面を重視しつつ、かつ技術的な躍進が「ハイブリッド瓦」を誕生させることに成功しています。
その「ハイブリッド瓦」として商品を取り扱っているメーカも併せて紹介します。
- ハイブリッド瓦その① ROOGA(ルーガ)/KEMW(ケイミュー)
- ハイブリッド瓦その② エアルーフ/富士スレート
スレート材を中心とした商品を展開されているメーカーが取り扱っているので、期待が持てる仕様になっています。
軽くて割れないハイブリッド瓦の特徴
瓦や屋根の素材については、昨今の災害に対する考え方から、重量がある「瓦」を使用することに懸念の声が挙がってきます。
そこで「瓦」の持つ意匠性・装飾性を残し、軽量化された瓦が「ハイブリッド瓦」になります。
業界でもハイブリッド瓦は、KEMW(ケイミュー)の「ROOGA(ルーガ)」と富士スレートの「エアルーフ」が多く使われています。
ハイブリッド瓦の2大メーカー ROOGA(ルーガ)/KEMW(ケイミュー)
ハイブリッド瓦の一つ、ROOGA(ルーガ)は、カラーベストが得意なKEMW(ケイミュー)社が開発した商品になります。
正式には「瓦」そのものではなく「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」という形で、似た形状を作り出しています。
従来の桟葺瓦や土葺き瓦の場合1坪約140㎏~200㎏の加重が掛かる重量を、ROOGA(ルーガ)の場合は1坪当たり約68㎏と、半分以下の加重条件に軽減してくれます。
そういった面でも、コストパフォーマンス(費用対効果)に優れ、耐候性が高く、表面にもケイミュー株式会社独自の塗装構造が採用されてあるため、長く使うことが出来ます。
ハイブリッド瓦 ROOGA(ルーガ)の種類 「雅」と「鉄平」の特徴
KEMW社のROOGA(ルーガ)では、従来の「瓦」の景観・意匠性を尊重しつつ、「耐震性」「耐候性」「耐久性」の機能性を合わせ持つことができる「ハイブリッド瓦」になります。
従来のスレート屋根よりも優れており、複雑な屋根の形状にも対応できるよう、各部材も充実しています。
ハイブリッド瓦 ROOGA(ルーガ)の種類 「雅」と「鉄平」
ROOGA(ルーガ)の中でもデザインパターンが2種類に分かれており、「雅」と「鉄平」に分かれます。
和風調の住宅には「雅」を使用することが多く、洋風調の住宅には「鉄平」が使われます。
色も数種類から選ぶことが出来るので、住宅の形状やデザインにあった商品を選ぶことが出来ます。
ハイブリッド瓦の一つ エアルーフ(富士スレート)
エアルーフは富士スレート社が開発した「高分子繊維セメント瓦」になります。
重量に関しては、通常の陶器瓦より40%も重量を軽減。
瓦の割れやすさについては、高分子繊維の柔構造により強度・耐久性を向上。
表面上はフッ素コーティングを施し耐久性も優れています。
意匠性にこだわり、建築の形状やデザインに対応できるように種類が以下のように分かれています。
- フレンチ
- ウッディシンプル
- ドリーム30
- プロヴァンスS
それぞれのデザインを見ていきましょう。
ハイブリッド瓦 エアルーフ/フレンチ
エアルーフ「フレンチ」は、洋風の住宅に合わせやすいのが特徴で洋瓦の雰囲気を上手に取り込んでいます。
コーティングの仕様によって選べる種類は限定されますが、住宅のデザインに合わせやすくなっています。
ハイブリッド瓦 エアルーフ/ウッディシンプル
「ウッディシンプル」は、文字の通り「木の感触」をテーマにしており、温かく包容してくれる雰囲気のハイブリッド瓦になります。
シンプルなデザインも特徴で、乾式・湿式の外壁を問わず合わせやすい商品になっています。
ハイブリッド瓦 エアルーフ/ドリーム30
「ドリーム30」はフラットな形状が特徴で、和洋問わずデザインを合わせることもできます。
色のパターンによっては、重厚感を演出したり、軽快さを演出することもできます。
ハイブリッド瓦 エアルーフ/プロヴァンスS
「プロヴァンスS」は、南フランスのプロヴァンスをイメージしたハイブリッド瓦になります。
エアルーフの中でも立体感ある部類に入るので、外観の上部を強調したい場合は選択したい種類になります。
【新築やリフォームを計画中の方向け】軽くて割れないハイブリッド瓦の種類。ROOGAとエアルーフ まとめ
今回は、ハイブリッド瓦の種類の内「ROOGA(ルーガ)」と「エアルーフ」を紹介しました。
両商品とも長年の知識の蓄積を元にした技術が施されており、意匠性を失うことなく耐震性や耐候性などの機能部分を飛躍的の向上されています。
色種類も豊富かつ付属パーツなども充実しているので、新築・リフォーム関係なく選べるところも特徴の一つです。
初期的なコストは高くなる可能性はありますが、長期的に見れば、そのコストは回収されると言われています
住まいの品質向上とともに、環境に優しい選択を重視する現代。ハイブリッド瓦は、その両方を満たす素晴らしい選択肢となります。
屋根の葺き替えを検討する場合は、一度候補で検討してみてはいかがでしょうか。