今回は「古民家鑑定士」の資格について少し紹介します。
あまり持っている方も少なく、建築士や宅建などと合わせて持つことによって、相乗効果がでることを期待しています。
住宅や不動産関係の仕事をされている人や、リフォーム会社や工務店に勤めている方などで、古民家の改修を手掛ける人は取得してもいいかもしれません。
昨今のホームインスペクションの法改正もあったので受験してみようと思いました。
古民家鑑定士について
「一般財団法人職業技能振興会」の主催で築50年以上の伝統的工法で造られた古民家の評価を行えることを目的に創設された資格です。
古民家を調査し、その内容を記載した古民家鑑定書を発行する業務までできます。
伝統的工法だけでなく、在来工法の特徴の理解や、古民家を残し引き継いでいくための調査、再活用の提案など、様々な知識が問われます。
古民家の鑑定
鑑定の方法は、古民家鑑定士が目視による調査を行い、その後、「古民家の今の状態」「保全計画」「家歴書(住宅履歴書)」によって情報が記載されます。
現状の状況を把握し、それに対する修復内容やメンテナンス、修復の履歴を記載することによって、今後の計画にも役立てることができます。
古民家鑑定士 試験内容
こちらの試験自体は実務経験なども必要なく20歳以上であれば誰でも受験可能です。
試験日程も、全国で年数回行われており、他の試験と比べると受験しやすい資格になります。
古民家鑑定士の試験は3つの科目(総論・伝統構法・在来工法)に分かれています。
総論 ・・・古民家の種類や歴史、産業廃棄物やカーボン・フィグゼイション、森林破壊などの環境問題
伝統構法・・・各部位の名称、天井の種類、仕上げ材、施工の種類、移築・再築の方法
在来構法・・・各部位の名称やその意味、仕上げ材、施工の種類、電気設備、水廻り設備合わせてメンテナンス方法、在来工法の検査方法
出題範囲はかなり広いですが、下記テキストの持ち込みが可能になっているので非常に助かります。
テキストはこちら↓
かなりの厚みのあるテキストですが、読み応えがあり勉強になります。
古民家鑑定士 合格率・合格基準
科目の合格によっては取得できる資格が変わってきます。
古民家鑑定士1級と2級はそれぞれ「伝統」、「在来」に分かれます。
総論 | 伝統構法 | 在来工法 | |
古民家鑑定士1級 | ○合格 | ○合格 | ○合格 |
古民家鑑定士2級(伝統) | ○合格 | ○合格 | ×不合格 |
古民家鑑定士2級(在来) | ○合格 | ×不合格 | ×不合格 |
もし科目が不合格になっても、6ヶ月以内であれば再受験可能です。
試験の問題自体は2者択一問題の1科目30問の合計90問、比較的解答しやすい内容です。
分からない問題でも2者択一なので50%の確率で正解になります。
合格率は非公開ですが、およそ70%~80%と言われています。
テキストが分厚いですが、持ち込みが可能なため、対策はしやすいと思います。
また資格取得後も古民家鑑定士の資格は資質の確保や知識の向上も図る為に3年ごとの更新が必要です。
古民家鑑定士 試験対策
二級建築士と宅建はすでに所有しているので、「在来」はあまり時間をかけず、「総論」の項目と「伝統構法」の項目を中心に進めていきます。
対策や勉強内容については、後日別の記事で書きたいと思います。