前回の飛鳥時代に続いて、「奈良時代」の建築について触れてみたいと思います。
奈良時代は、奈良のに都が置かれていた約80年間を指し、建築様式も飛鳥時代から引き継がれてきたものが多いです。
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奈良時代の代表的な建築 東大寺・薬師寺・正倉院
飛鳥時代と同じく、奈良時代も「寺院建築」が盛んだった時代とも言えます。
80年ほどの短い時代の中で、文化遺産に登録されるほどの建築を残したのは、この時代が最初で最後ではないでしょうか。
東大寺
東大寺 金堂 出典:wikipedia
「奈良の大仏」で有名な東大寺も、奈良時代に建てられた寺院建築の1つです。
1998年にユネスコの世界文化遺産登録され、世界中から多くの観光客を集めています。
奈良時代の時には、大仏がある金堂とは別に七重塔が東西に配置されていたと記録が残っており、飛鳥時代から続く伽藍は東大寺でも配置され、伽藍を含む完成まで40年かかったとも言われています。
薬師寺
薬師寺 東塔(国宝、手前)と西塔 出典:wikipedia
薬師寺も東大寺と同じく、1998年にユネスコの世界文化遺産登録された「古都奈良の文化財」の1つとして世界遺産登録されています。
造営当時と現在の場所は違いますが、平城遷都後の8世紀初めの頃の移転なので、10世紀以上の時代を経て現在も多くの人を集めています。
東大寺と同じく回廊で囲む伽藍で配置され、日本で初めて二基の塔を建てた方法はオリジナルとして「薬師寺式伽藍配置」とも言われています。
正倉院
正倉院正倉 出典:Wikipedia
正倉院は、奈良県奈良市にある校倉造(あぜくらつくり)の大規模な高床式倉庫になります。
天皇・皇后のゆかりの美術品などを収納する場所として建てらました。
東大寺・薬師寺と同じく、ユネスコの世界文化遺産登録された「古都奈良の文化財」の1つとして、1998年に世界遺産登録されています。
高床式で床下の高さは2.5mもあり、明確な理由は分かりませんが、水害や湿気に対しての対策だったかもしれません。
構造的な特徴は校倉(あぜくら)造の寄棟の瓦葺き。
宝庫の環境を少しでも安定させるために、当時の最先端の技術が採用されていたかもしれません。
奈良時代の建築の特徴
奈良時代は、飛鳥時代からの流れもあり、「寺院建築」が目立ちます。
構造としては、柱を使わずに井桁上に材料を組み合わせる「校倉造」が採用されることが多くなりました。
寺院建築
飛鳥・奈良時代から始まったとされる「寺院建築」
そのきっかけは、中国大陸からの伝来とも言われています。
寺院建築の場合は、神社建築と違い「瓦屋根」が多く採用されています・
神殿建築では、茅(かや)や檜(ひのき)などの自然素材が使われることが多いため、屋根の造りや見た目だけでも違いが分かります。
神社建築についても記事にしています⇩
寺院建築は、後の平安時代などのタイミングで、「和様」「禅宗様」「新和様」などの様式に進化し、様々な技術や文化が現代でも引き継がれています。
校倉造(あぜくらつくり)
校倉造 出典:Wikipedia
校倉造は、柱を使わずに三角形の木材を積み上げていく建築工法の1つです。
木材自体が乾燥・収縮を繰り返すため、それにより湿気が閉じ込められたり、隙間が広がることによって湿度が一定しないための対策として講じられています。
しかし、瓦葺きの場合、屋根の荷重が重いため、そこまでの乾燥・収縮までならないとも推測されています。
宝庫が守れてきたのも、工法的な仕組みではなく、材料の調湿性が好転したとも考えられます。
奈良時代の建築の特徴や様式。東大寺・薬師寺・正倉院など まとめ
今回は「奈良時代」の建築の特徴や様式について紹介してみました。
紹介した建築も含めて、奈良県では1998年に「古都奈良の文化財」8件が世界遺産登録されています。
古くからの日本の建築技術と美しさが評価されており、現代の建築技術にも影響を与えています。
歴史から色々学ぶことは、建築の世界でも同じです。
それらに恥じない建築を志すのも、一つの課題かもしれません
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