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【バリアフリー法】「浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室」のルール。5分で読める建築物移動等円滑化の基準

バリアフリ-法「建築物移動等円滑化の基準」の項目の一つである「浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室」について解説します。

銭湯や温泉施設などの公衆浴場等や、旅館やホテルなどの建築物に付属する共同浴室などが対象になることが多く、他にも体育館や水泳場等のスポーツ施設等のシャワー室・更衣室が該当していきます。

不特定多数の方が利用する施設として、高齢者や障害者の方たちが円滑に利用できるようバリアフリー対応が求められています。

バリアフリー法の「浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室」における「建物移動等円滑化誘導基準」について見ていきます。


バリアフリー法「建物移動等円滑化誘導基準」浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室のルール

バリアフリー法「建物移動等円滑化誘導基準」浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室のルールについて

「浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室」の項目は「建物移動等円滑化誘導基準」の内容になります。

<一般>浴室等(第13条)

車いす使用者用浴室等を設けている(1以上)

  1. 浴槽、シャワー、手すり等が適切に配置されている
  2. 車いすで利用しやすいよう十分な空間が確保されている
  3. 出入口の幅は80cm以上である
  4. 出入口の戸は車いす使用者が通過しやすく、前後に水平部分を設けている

「浴室」の内容になり、他のバリアフリー法の項目と同じような、空間の確保、出入口、戸の前後の水平部分などになります。

項目としては少数なので、計画のポイントとして気を付けたい所をまとめてみます。

バリアフリー法(建築物移動等円滑化の基準)浴室・シャワー室・更衣室・脱衣室 計画のポイント

バリアフリー法「建物移動等円滑化誘導基準」浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室の計画のポイント

「浴室・シャワー室・更衣室・脱衣室」の計画について、気を付けたい内容をピックアップしています。

共通ポイント

  • 出入口の有効幅員は、80cm以上で床には段を設けない。
  • 出入口に戸を設ける場合、戸は自動的に開閉する構造
  • 出入口前後には、140cm角以上の水平なスペースを設け、車いす使用者が直進・方向転回できるようにする。
  • 車いす使用者が360°回転できるよう、直径150㎝以上の円が内接できるスペースを、1以上設ける。
  • 浴槽は濡れても滑りにくい材料で仕上げる。
  • シャワーは原則としてハンドシャワーとし、浴室用車いす等を備える。
  • 洗い場及びシャワーの水栓金具は、サーモスタット(自動温度調節器)付き混合水栓などでレバー式等の操作のしやすいもの、、湯水の混合操作が容易なものとする。
  • 床は濡れても滑りにくく、床に座ったままで移動する場合にも体を傷つけにくい材料で仕上げ、浴室用車いす等での移動を考慮し、水はけの良い材料で仕上げ、出来る限り排水勾配を緩やかにする。

車いす使用者用浴室・シャワー室・更衣室・脱衣室

  • 不特定多数の利用者が利用する浴室・シャワー室・更衣室・脱衣室を設ける場合には、そのうち1室以上(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上)に、車いす使用者が円滑に利用できる浴室・シャワー室・更衣室・脱衣室を設けることが望ましい。
  • 浴槽の深さは50cm程度、エプロン高さは40~45㎝(車いすの座面の高さ)程度。
  • 浴槽の縁には移乗台を設け、移乗台の高さ及び奥行きは、浴槽と同程度とし幅は45㎝以上
  • シャワーホースの長さは、150cm以上あれば望ましい。
  • 洗い場には浴室用車いす等を装備。
  • 出入口から洗い場や浴槽などの各箇所ごとに手すり(原則として水平及び垂直、段がある場合には斜めに手すり)を設ける。
  • 洗い場及びシャワーの水栓金具の取り付け高さは、浴室用車いすなどに座った状態で手が届くように。
  • 緊急通報ボタン(できればループやひもをつけたもの)を適切な位置に設けることが望ましい。
  • 車いす使用者の脱衣・更衣等のスペースの近くに、専用の収納棚やロッカー等を設ける。
  • ロッカー等のHPやフックの高さは、床から120cm程度の低い位置か、高さの調節ができるもの。
  • 収納棚等の奥行きは60㎝程度。
  • 不特定多数の人が利用する脱衣室・更衣室に、車いす使用者用の脱衣・更衣スペース等を設ける場合、脱衣室・更衣室内か近くに、1以上の車いす使用者用便房を設ける。
  • 高齢者、障害者等が着替えの際に、横になる場合もあるため1以上の脱衣のためのベンチを設ける(固定はさける)。
  • 脱衣のためのベンチ座面の高さは床から40~45㎝程度、幅は180㎝程度以上、奥行き60㎝程度以上とする。
  • 脱衣のためのベンチには、上体が寄り掛かることのできるヘッドボードのあるものとすることが望ましい。
  • 脱衣のためのベンチ表面の仕上げは、クッション材かつ耐水性のあるものが望ましい。
  • 複数の洗面器を設ける場合、1以上の洗面器は車いす使用者の利用に配慮したものとする。
  • 洗面器の吐水口の位置は、車いす使用者の利用に配慮した洗面器の手前縁から30~35㎝程度とする。
  • 不特定多数の人が利用する脱衣室・更衣室には、1室以上(男女の別があるときはそれぞれ1以上)の乳幼児用おむつ交換台を設ける。

全ての要素や条件を組み込むことは厳しそうですが、少しでも多く取り入れたいですね。

バリアフリー法(建築物移動等円滑化の基準)浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室編 まとめ

今回は、バリアフリ-法(建築物移動等円滑化の基準)における「浴室・シャワー室・脱衣所・更衣室」について紹介しました。

高齢者や車いす使用者を中心に、各寸法や設備・部品の項目が設定されています。

チュックリストの項目は少数なので、それ以外の内容にも気を配れるようにした方がいいかもしれません。

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