今回は、西洋の建築史について解説していきます。
建築関係の資格試験には、様々な形で出題されます。
覚える項目が多く似ていてるような言葉が多いですが、一つ一つ攻略していけば怖いものはありません。
古代西洋建築史
古代エジプト建築からローマ建築までの時代を表します。
それぞれ特徴があるので、それを見ながら覚えておくといいと思います。
古代エジプト建築(BC3200~)
他の文明に多くの影響を与えたエジプト建築。
代表的な建築は、ギザのピラミッドとギザのスフィンクス。
出典:wikipedia
ピラミッドにも、クフ王やカフラー王のピラミッドなど色々あるみたいですが、資格試験の問題にはそこまで問われません。
特徴の一つに、重厚な「石造建築」があります。
エジプト自体が乾燥された地域なので、樹木などが発達しないため、建築資材も限定されます。
そのため、エジプト建築で使われていた資材も「石」や「レンガ」になり、構造的な部分と装飾的な部分で使い分けられています。
スフィンクスなども1枚岩から掘り出して造られたとされており、当時の建築技術に驚かされます。
もう1つの特徴に、「まぐさ式構造」と「多柱室」などです。
まぐさ式構造は、エジプト建築やギリシャ建築の神殿建築に使われている構法で、水平の横架材である梁を柱で支えている構造形式です。
柱と梁で構成される日本建築と似たような形式ですね。
「多柱室」も神殿建築で使われている方式で、文字の通り、広間などで柱を多く使っている方式です。
その柱にも装飾などを施したり、等間隔とシンメトリー上に配置し構造だけではない役割を兼ねています。
オリエント建築(BC3500~)
オリエント建築は、アーチ型の天井を平行に連続させたヴォールト方式の建築が有名です。
このヴォールト方式を採用すると、柱の本数を減らすことができ、広い空間を演出することができます。
石材などの部材同士の圧縮の要領を利用してるので成立する方式。
オリエント建築以外の他に、ローマ建築やイスラム建築でも採用されている手法です。
ギリシャ建築(BC1100~)
ギリシャ建築は西洋建築の原点とも言われています。
ラーメン構造や、日本建築の「柱」と「梁」で形成されている、直線的な造りが特徴なのが「ギリシャ建築」です。
大きな特徴としては、「ドリス式」「イオニア式」「コリント式」と言われる、柱の3パターンと、ギリシャ建築の代表的と言われる「パルテノン神殿」があります。
ドリス式
柱が太く短い。柱の上下にも装飾がなくシンプルなテクスチャー。
パルテノン神殿が代表的
イオニア式
柱や溝掘りなどはやや細く、柱の頭付近の注頭には、羊の頭のような渦巻き上の装飾があるのが特徴
イオニア式で代表的なのは、パルテノン神殿の北に位置する「エレクティオン神殿」
コリント式
柱頭に、アカンサスという植物の葉の装飾を施している。
代表的な建築はローマのパンテオン
出典:wikipedia
パルテノン神殿は、1987年に世界遺産にも登録され、建築の世界でも多方面に渡り影響を与え、様々な場所で紹介されています。
建築様式も奥が深く、「黄金比率」や「直線が使われていない」など、現代建築でも難しい方式を当時の技術で実現されています。
ローマ建築(BC400~)
出典:wikipedia
ローマ帝国全土で使われていた様式で、帝国の名にふさわしい規模や機能が求められていました。
ギリシャ建築のシンプルさとは違い、ローマ建築は様々な技術を組み合わせ目的ごとに使い分けられています。
アーチ・ヴォールト・ドームによる工法で広い空間を造ることができ、巨大な球体が収まるドーム建築のパンテオン神殿や、石材とコンクリートを併用したコロッセオを実現しています。
代表的な建築だけでなく、住宅や市場、道路や劇場など、飛躍的に進歩した時代とも言われています。
西洋建築の始まりと言われている、エジプト建築やギリシャ建築などを簡単に紹介しました。
次回は、西洋建築のピザンチン建築やイスラム建築などの解説です。