今回は、「サイディング」と言われる外壁の種類について紹介します。
「サイディング」とは、外壁に施工する板材の事を表し英語表記では「siding」になります。
さらに直訳すると「壁板」などの意味を表し、日本の住宅業界では外壁に施工する板材を総称してサイディングと言うこともあります。
サイディングにも色々種類があり、材質によっても特色があるので解説していきます。
目次
サイディングの種類「窯業系」「金属系「木質系」「樹脂系」
サイディングの種類にも大きく分けて4種類あり、「窯業系」「金属系」「木質系」「樹脂系」に分かれます。
それぞれ見ていきましょう。
「窯業系」サイディング
窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主な原料としている、板状に形成したものを表します。
厚みや柄、色などの種類も豊富なことから、窯業系サイディングが外壁の仕様の中でも主流になっています。
性能も年々改良され、親水性・遮音性・メンテナンス性が向上しています。
窯業系サイディングの特徴
- 住宅の場合は、新築、リフォームのどちらでも対応可能に
- デザイン(厚み・柄・色)のバリエーションが豊富
- 防火性に優れている(防火認定の種類も豊富)
- 乾式により通気工法が施工可能
- 住宅だけでなく、商業施設などにも利用可能
汎用性もあるので広い分野で使われています。
「金属系」サイディング
金属系サイディングの特徴は、軽量性とスタイリッシュなデザインが上げられます。
材料としては「ガルバニウム鋼板」が使われることが多く、非住宅で使われることが大半でしたが、金属サイディングの性能面やデザイン面が見直され、住宅でも多く採用されつつあります。
金属系サイディングの特徴
- 耐久性や断熱性が高い
- メンテナンスが容易な部類に入る
- 金属性なので凍害を防げる
金属系なので、錆の対処法と外部からの衝撃による変形は、他のサイディング壁にはない悩み事になります。
塩害にも影響するので、海の近くも採用するのは控えた方がいいかもしれません。
「木質系」
木質系サイディングは、窯業系サイディングや金属系サイディングに比べると採用されることが少なく、商品数としても少ない傾向にあります。
法律により使えない地域もありますが、和風住宅や、杉板などの木目調の外観にしたい場合は欠かせない商品になってきます。
性能的にも、「不燃材」や防腐効果を施された商品が増えてきており、デザインのバランスによっては採用することが多くなるでしょう。
木質系サイディングの特徴
- 断熱性や保温性が高い
- 木の雰囲気を表現、自然との調和が可能
木材だけに、火と水に関する部分に欠点があるので、細目なメンテナンスが必要になります。
「樹脂系」
樹脂系サイディングは、日本でのシェアは低く、目にするのが少ないサイディング壁になります。
しかし、施工性や軽量面の機能性など劣る部分は少なく、シーリング工事が伴わないのも特徴の一つです。
樹脂系サイディングの特徴
- 軽量性
- 耐久性や撥水性が高い
軽量化されているので、遮音性に劣ってしまう部分がデメリットになります。
サイディング2大メーカー ニチハとKEMW(ケイミュー)
国内のサイディング壁の割合が、「窯業系」が多い事もあり、取り扱うメーカーも偏ることも少なくありません。
特に商品数や施工体制なども含めると「ニチハ」と「KEMW(ケイミュー)」が幅広く取り扱っています。
「窯業系」だけでなく「金属系」サイディング、屋根材などの外装材も取り扱っているため、外装品のトータルコーディネートをするこもできます。
ニチハ
「ニチハ」は昭和31年設立の歴史ある外装メーカーになります。
日本ハードボード工業株式会社として始まり、インシュレーションボードやモエンサイディング等を主力商品とし、事業を拡大していきました。
外壁だけでなく、屋根材や付属品を取り扱っているので、外部部材をトータル的のコーディネートすることができます。
KEMW(ケイミュー)
元々は、株式会社クボタと松下電工(現:パナソニック)株式会社の住宅外装建材部門が統合し、KEMW(ケイミュ-)の前身会社であるクボタ松下電工外装株式会社を設立。
2010年10月にケイミュー株式会社として社名を変更し、外装建材のメーカーとしてスタートしました。
全国各地に営業所、各拠点に工場を設け、外装メーカーでは1,2を争うシェアを誇っています。
商品数も充実しており、デザインや機能性だけでなく、環境に配慮した商品も誕生しています。
サイディング壁の特徴や種類「リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識⑪」 まとめ
今回は、サイディング壁の特徴や種類について紹介しました。
サイディングの種類によってはそれぞれ特色が分かれるため、機能性やメンテナンスを考慮しながら選択したいものです。
基本は塗装の外壁施工で、道路面だけサイディング施工をするといった組み合わせはもちろんのこと、違う種類のサイディングも組み合わせることができる(厚みや収まりに注意)ので組み合わせのパターンは無限に広がります。
現状がモルタル外壁でも、リフォーム・リノベーションでサイディング壁にすることもできるので夢が広がります。
また機会を改めサイディングについては紹介します。