前回の「スレート屋根」に続き「金属屋根」について紹介したいと思います。
「金属屋根」のイメージは商業施設などに使われているイメージがありますが、エッジが効いたデザインと、軽量性などを優先に挙げると、住宅建築などにも候補として挙がってきます。
「金属屋根」にもいくつか種類があるので、何点か紹介します。
目次
金属屋根の種類 リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識

金属屋根にも色々あり
ガルバリウム鋼鈑
ガルバリウム鋼板は「ガルバ」「GL」などと略されることもあり、主にアルミと亜鉛で構成された鋼板のことをいいます。
サビに強く施工性がしやすい特徴があり、商業建築から住宅建築まで広く使われ、耐用年数は25~30年といわれています。
ガルバリウム鋼板の他の特徴に、鋼板の対して「亜鉛43%・アルミ二ウム55%・シリコン1.6%」の層があり、アルミが多く含まれるため、従来の亜鉛鉄板よりも耐熱性が向上しています。
ステンレス鋼鈑
ステンレス屋根とは、住宅部品などでよく使われる「ステンレス」を屋根材として加工したものになります。
クロムやニッケルを含む鉄が主成分になっています。
経年劣化が少ないので、屋根材としても使われることが多いです。
色のパターンに関しては、焼付塗装によるカラー加工が施されているので、デザインや外壁との色合いに近づけることもできます。
チタン鋼鈑
チタン鋼板とは、金属の中でも耐久性・軽量性などを考慮すると非常に優れた材になります。
優れているがために費用が高額になり、建築の材として使われるのは少ない方です。
その中でも「チタン瓦」として、歴史的建造物や寺院建築などで取り入れられており、メンテナンス不要な部分も採用理由に一つとして挙げれます。
銅鋼鈑
「銅」は建造物などにも使われていることも多く、「アメリカの自由の女神像」や「名古屋城」など、緑青と言われる銅が青緑に変色するサビを意匠として取り入れたりしているのが代表的な例です。
昔の住宅では、和風の瓦で葺いている場合、軒先が銅板葺きで施工されていることが有ります。
しかし、腐食等により穴が開くことがあり、使用用途が見直されてリしています。
材としては素晴らしいので、それに伴うデザインや施工能力が必要になります。
金属屋根から他の屋根材には変えれるのか? リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識

屋根の種類を変えるには注意が必要!?
金属屋根は耐久年数が長い物が多く、費用もリーズナブルなので、これから建築を考えている方にも選択の一つに入ることでしょう。
金属屋根に住まわれている方の声の一つに、雨の際の反射音が気になる方もいます。
新築の場合は初めから対策の余地は計画でできますが、リフォームの場合、特に瓦のような厚みのある屋根材から金属屋根に葺き替えることを考える場合は注意が必要です。
金属屋根から他の屋根材に葺き替える場合は耐震性にも注意が必要です。
金属屋根は屋根材の中でも最軽量の部類に入るため、他の屋根材に変えると屋根の加重が増える可能性が有ります。
木造3F建てやS造やRC造の場合は、主要構造部の過半以上の変更なので検討や申請が伴いますが、木造2F建てなどは複雑な構造計算
が省かれているので、気を付けなければいけません。
金属屋根の種類。ガルバリウム鋼板やステンレス鋼板「リフォーム・リノベーション計画の失敗しな為の知識⑧」 まとめ
今回は金属屋根について紹介しました。
屋根の工事には足場なども必要になることが多く、全体の費用がコントロールすることが難しい場面があります。
屋根材の選定などは、種類ごとのメリット・デメリットを確認してから決めたいものですね。