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スレート屋根の種類。天然スレートや化粧スレート「リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識⑦」

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明治から大正、昭和にかけて、日本の住宅洋式は海外の文化を取り入れ変化し続けました。

「屋根材」も同様に、デザインや機能性も考慮され、現在では種類も性能も多岐に渡ります。

前回に引き続き、今回は「スレート屋根」について解説していきます。

昭和から増え始めたスレート屋根 リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識

天然スレートが使われている代表的な建築物は「東京駅」の参考画像
天然スレートが使われている代表的な建築物は「東京駅」

「天然スレート」は最高級のスレート?

現在では主流となった「スレート屋根」

そもそもスレートの意味は、水成岩(積岩)のひとつである粘板岩を薄い板状に加工した建築材を表し、屋根や外壁など、建築の様々な部位に使われています。

粘板岩を総称して「天然スレート」と呼び、スレートの種類の中でもグレードの高い部類に入ります。

天然なので塗料が必要なく、メンテナンス面でも優れた資材になります。

一番多く使われているのは「化粧スレート」

化粧スレート」は、繊維素材をセメントに混ぜ、厚さ5mm~6mmの板状に加工されたものをいい、平成以降の木造住宅などに多く使われてきました。

薄く施工されていることもあり、「化粧スレート」は屋根材の中でも比較的軽量されている部類に入り、耐震性にも有利とされています。

他にも「化粧スレート」はカラーパターンが豊富で、住宅の雰囲気に合わせたテクスチャーやデザインを選択できるのもメリットの一つです。

形状の方も大きく分けると、「平形スレート」「波型スレート」「厚型スレート」に分類されており、用途や構法によって使い分けられています。

天然・化粧スレート屋根のメリット・デメリット リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識

スレート屋根のメリット・デメリットをおさらいの参考画像
スレート屋根のメリット・デメリットをおさらい

新築やリフォーム工事で「スレート屋根」を選ぶ場合のメリット・デメリットを紹介します。

天然・化粧スレート屋根のメリット

・天然スレートの場合、塗装が必要ないため修繕費等が抑えれる

・天然スレートは再利用が出来たりするので環境に優しい

・費用が安め

・施工できる・取り扱える業者が多い

・化粧スレートの場合は、色目が豊富でデザインがシンプル

・将来的にカバー構法が可能な場合もある

天然・化粧スレート屋根のデメリット

・化粧スレートなどは、耐水・耐久性が弱いため定期的なメンテナンスが必要

・化粧スレートは割れやすいので、災害に弱い面もある。

・一昔前のスレート屋根には「アスベスト」が含まれているため、撤去の時などは、それなりの対策が必要になる。

・断熱性なども瓦屋根には劣る


メリット・デメリットそれぞれありますが、メリットの部分が勝る部分が多く、これからも多くの建築で使われると思います。

一昔前は、瓦屋根や土壁等のみで断熱性などを考慮する必要がありましたが、現在では屋根材や外壁材だけでなく、断熱材の品質も向上しているので、部位ごとに見直すことができます。

屋根材や外壁材もそうですが、建築全体でデザインや性能を調整できるので、より理想の住まいなどを実現しやすい時代に「なっていると思います。

スレート屋根並みに軽量化されたハイブリッド瓦

昨今では、「瓦屋根」の意匠性を残しつつスレート並みに軽量化され、耐久性が優れている「ハイブリッド瓦」が採用されています。

「ハイブリッド瓦」の内容については過去の記事で解説しています⇓

スレート屋根の種類。天然スレートや化粧スレート「リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識⑦」 まとめ

今回は「スレート屋根」について紹介しました。

「スレート屋根」はコスト・性能・デザイン面が均等に保たれているイメージがあり、設計の観点からも多様な提案を可能にしています。

日々追うごとに改良され、今後も洗練された「スレート屋根」の誕生に期待を寄せることが出来ます。

次回は「金属屋根」について紹介します。

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archi

普段は設計メインの建築エンジニア。 休日は趣味(スポーツ・遊び)を堪能する2児の父。 ハウスメーカーやデベロッパー、設計事務所などを渡り歩き、住宅から大規模建築まで様々な分野を取り扱うストロングスタイル! 所有資格/建築士/宅建士/AFP/古民家鑑定士/福祉住環境コーディネーター/大型免許・大型二輪/一級小型船舶免許操縦士他

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