明治から大正、昭和にかけて、日本の住宅洋式は海外の文化を取り入れ変化し続けました。
「屋根材」も同様に、デザインや機能性も考慮され、現在では種類も性能も多岐に渡ります。
前回に引き続き、今回は「スレート屋根」について解説していきます。
目次
昭和から増え始めたスレート屋根 リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識

「天然スレート」は最高級のスレート?
現在では主流となった「スレート屋根」
そもそもスレートの意味は、水成岩(堆積岩)のひとつである粘板岩を薄い板状に加工した建築材を表し、屋根や外壁など、建築の様々な部位に使われています。
粘板岩を総称して「天然スレート」と呼び、スレートの種類の中でもグレードの高い部類に入ります。
天然なので塗料が必要なく、メンテナンス面でも優れた資材になります。
一番多く使われているのは「化粧スレート」
「化粧スレート」は、繊維素材をセメントに混ぜ、厚さ5mm~6mmの板状に加工されたものをいい、平成以降の木造住宅などに多く使われてきました。
薄く施工されていることもあり、「化粧スレート」は屋根材の中でも比較的軽量されている部類に入り、耐震性にも有利とされています。
他にも「化粧スレート」はカラーパターンが豊富で、住宅の雰囲気に合わせたテクスチャーやデザインを選択できるのもメリットの一つです。
形状の方も大きく分けると、「平形スレート」「波型スレート」「厚型スレート」に分類されており、用途や構法によって使い分けられています。
天然・化粧スレート屋根のメリット・デメリット リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識

新築やリフォーム工事で「スレート屋根」を選ぶ場合のメリット・デメリットを紹介します。
天然・化粧スレート屋根のメリット
・天然スレートの場合、塗装が必要ないため修繕費等が抑えれる
・天然スレートは再利用が出来たりするので環境に優しい
・費用が安め
・施工できる・取り扱える業者が多い
・化粧スレートの場合は、色目が豊富でデザインがシンプル
・将来的にカバー構法が可能な場合もある
天然・化粧スレート屋根のデメリット
・化粧スレートなどは、耐水・耐久性が弱いため定期的なメンテナンスが必要
・化粧スレートは割れやすいので、災害に弱い面もある。
・一昔前のスレート屋根には「アスベスト」が含まれているため、撤去の時などは、それなりの対策が必要になる。
・断熱性なども瓦屋根には劣る
メリット・デメリットそれぞれありますが、メリットの部分が勝る部分が多く、これからも多くの建築で使われると思います。
一昔前は、瓦屋根や土壁等のみで断熱性などを考慮する必要がありましたが、現在では屋根材や外壁材だけでなく、断熱材の品質も向上しているので、部位ごとに見直すことができます。
屋根材や外壁材もそうですが、建築全体でデザインや性能を調整できるので、より理想の住まいなどを実現しやすい時代に「なっていると思います。
スレート屋根並みに軽量化されたハイブリッド瓦
昨今では、「瓦屋根」の意匠性を残しつつスレート並みに軽量化され、耐久性が優れている「ハイブリッド瓦」が採用されています。
「ハイブリッド瓦」の内容については過去の記事で解説しています⇓
スレート屋根の種類。天然スレートや化粧スレート「リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識⑦」 まとめ
今回は「スレート屋根」について紹介しました。
「スレート屋根」はコスト・性能・デザイン面が均等に保たれているイメージがあり、設計の観点からも多様な提案を可能にしています。
日々追うごとに改良され、今後も洗練された「スレート屋根」の誕生に期待を寄せることが出来ます。
次回は「金属屋根」について紹介します。