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和室から洋室に変更する方法「リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識①」

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今回は、リフォームやリノベーションで和室から洋室に変更する方法を解説します。

洋室やLDKといった間取りが主流になり、新築の計画においても初めから和室をプランに入れなかったりします。

介護やバリアフリーの考え方からも、布団からベッドへと寝具を変更する場合、和室・洋室といった居室の空間を考えなければいけない時があります。

リフォームやリノベーションで和室から洋室に変更する方法。

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リフォームやリノベーションで和室から洋室に変更するには?

和室から洋室に変更する際、和室をスケルトン状態(柱や梁が見える状態)がベストですが、予算や工事の難易度によっては断念する箇所が出てくるかもしれません。

順番を追って解説します。

和室から洋室、床材を畳からフローリングに変更

和室から洋室に変更するリフォーム工事の中で、一番多く見かけるパターンです。

特に、天井や壁に目立った損傷がない場合や、ベッドに寝具を変更したい場合に採用されます。

畳からフローリングへの変更注意点①

隣接する部屋との段差・床の高さとのバランス

畳とフローリングの違いの1つに、それぞれの材料の厚みの違いがあります。

現在は、スタイロ畳など機能性を重視された畳が増えていますが、い草の畳でも約50mmの厚みがあります。

フローリングの厚みが9mmや12mmが主流なので、高さについては考慮する必要がありますが、和室の場合は、敷居から高さが上がっている事も多いのでバランスが重要になってきます。

畳の厚みはフローリングとは違うの参考画像

畳の厚みはフローリングとは違う

  • 畳 ・・・約50mm
  • フローリング・・・約12mm

また、畳自体で断熱性を補っていることも多いので、フローリングに変更する場合は断熱材の施工も忘れずにしなければなりません。

新しい床材になっても、前より寒くなってしまっては元も子もありません。

畳からフローリングへのよくある工事パターン

今までに見かけた、畳からフローリングへの工事パターンを紹介します。

畳だけ撤去し、合板とフローリングだけを張る。

費用は安く済みますが、敷居との段差や断熱性が落ちるのであまりオススメはできません。

畳と床の下地材までに撤去し、新しく下地(根太、大引など)を組み、断熱材とフローリングを施工する。

畳からフローリングに変更する方法で、一番コストパフォーマンスがいい方法かもしれません。

畳の時と同じ床の高さに変更する事ができ、壁の補修も一部で済む場合があります。

畳からフローリングへの変更注意点②

床材と壁材との取り合い

畳からフローリングへの変更注意点の1つに、床材と壁材との取り合いが生じる可能性があります。

フローリングに変えることによって、床の高さが変わるため、壁の面積が増えてしまいます。

床材を変える場合は、壁の補修作業や手間まで見ておく方が無難かもしれません。

畳からフローリングへの注意点③

このタイミングで床暖房の設置は可能性か?

和室から洋室にする部屋内で床暖房を設置したい場合は、色々な要素を検討しなければなりません。

  1. 床暖房対応の給湯器か?
  2. 断熱材等の状況は?
  3. 床暖房のリモコンなどの配線は露出になってしまうか?

まずは、給湯器の仕様を確認する必要があります。

場合によっては、床暖房対応の給湯器に交換するか、床暖房専用の給湯器の設置が必須になってきます。

また、床暖房の場合は床からの輻射熱で暖める仕組みです。

暖い空気は下降する性質があるので、床暖房の下に断熱材などがない場合は効果が低下することは避けられません。

合わせて施工するようにしましょう。

和室から洋室、壁を塗壁からクロス張りに変更。リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識

リフォームやリノベーションでじゅらくや珪藻土調のクロスも選ぶことも可能の参考画像

リフォームやリノベーションでじゅらくや珪藻土調のクロスも選ぶことも可能

和室の壁を洋室風のクロス張りにする方法ですが、方法は何点かあります。

真壁の場合で説明してみます。

  • 現状の塗壁に薄い合板(下地)を張り、その上からクロスを施工
  • 少し狭くなるが、天井材や廻り縁などの材料もそのままで施工が可能の場合が多い。
  • デメリットとしては、年数が経過した柱がそのままなので、色のバランスが取りづらい。
  • 石膏ボードを下地として張り、その上からクロスを施工
  • チリと石膏ボード分が厚みをマスカットので、狭くなってしまう。
  • 場合によっては天井材や建具も交換が必要。

和室から洋室、木製天井をクロス張りに変更。リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識

モダンな和室も空間を引き締めるの参考画像

モダンな和室も空間を引き締める

和室などに多く見かける木製の天井をクロス張りに変更する場合は、既存の木製を取る方法がスタンダードになります。

木製の天井の場合は、竿縁天井や格子天井など凹凸が多いものが多く、上から下地材を張る作業が不可能に近い形です。

下地材を固定するビスなども、天井裏の材を狙っていく必要があるので現実的ではありません。

天井材を張り変える場合は、床・壁も合わせて行うのが多いのはそういった理由からです。

メリットとしては、照明の位置の変更や、外周部に面している場合は断熱材を充填できます。

リフォーム・リノベーション計画の失敗しない為の知識①和室から洋室に変更する方法 まとめ

今回は、リフォーム・リノベーション工事で和室から洋室に変える場合のメリットやデメリットを紹介しています。

今回の内容以外にも、床の間や襖、欄間・縁側・木製サッシなどがどういう状態かによって、工事の計画や仕上がりに大きく影響が出ます。

新旧が折り重なる折衷案も、内容によってはオリジナル性溢れるので、プロに相談するのも1つの計画の進め方です。

またリフォームやリノベーション工事の内容を紹介していきます。

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archi

普段は設計メインの建築エンジニア。 休日は趣味(スポーツ・遊び)を堪能する2児の父。 ハウスメーカーやデベロッパー、設計事務所などを渡り歩き、住宅から大規模建築まで様々な分野を取り扱うストロングスタイル! 所有資格/建築士/宅建士/AFP/古民家鑑定士/福祉住環境コーディネーター/大型免許・大型二輪/一級小型船舶免許操縦士他

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