今回は「第一種低層住居専用地域」について解説したいと思います。
建築士や宅建など、建築に関する資格試験などのも多く出題される項目で、建築・不動産の両面から見ても基本的な内容になります。
「用途地域」については、過去にこういう記事で解説しています⇩
目次
第一種低層住居専用地域で建てられる建築物の種類
第一種低層住居専用地域で建てられる建築物の種類は、建築基準法では以下のように定められています。
- 住宅
- 住宅で事務所、店舗その他これらの類する用途を兼ねるもののうち政令で定めるもの
- 共同住宅、寄宿舎又は下宿
- 学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種専門学校は除かれる)、図書館及びその他これらに類するもの
- 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
- 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの
- 公衆浴場
- 診療所
- 公衆電話、巡査派出所、その他これらに類する公益上必要な建築物
大きく分類すると上記の内容になります。
もちろん、低層住居という言葉があるように、比較的低層で成立する建築の種類がメインになります。
「自動車車庫」などの付属建築物などのついては、建てられない条件があるので注意が必要です。
第一種低層住居専用地域で建てられる兼用住宅
「兼用住宅」などの項目については、延べ面積の1/2以上を居住用にし、以下の用途を兼ねている必要が有ります。
- 事務所(一部除く)
- 日用品の販売を主たる目的とする食堂、店舗、喫茶店
- 理髪店、美容院、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、貸本屋、こういった類のサービス業
- 畳屋、自転車屋、家庭電気器具店、洋服店(原動機を使う場合は出力合計0.75kw以下)
- 自家販売のためのパン屋、豆腐屋、菓子屋、米屋(原動機を使う場合は出力合計0.75kw以下)
- 学習塾、囲碁教室、茶道教室、その他こういった類の施設
- 工芸品や美術品を制作するための工房・アトリエ(原動機を使う場合は出力合計0.75kw以下)
街中で見かける、3F建住宅の1Fがクリーニング屋や自転車屋など、第一種低層住居専用地域では建築できるということになります。
第一種低層住居専用地域で建てられる公益上必要な建築物
第一種低層住居専用地域では、公益施設でもいくつかの制限があります。
- 郵便の業務施設で延べ床面積500㎡以内
- 老人福祉センター、児童福祉施設、地方公共団体の支所等の施設で600㎡以内
- 公園に設けられる休憩所や公衆トイレ
- 路線バスの停留所の上家
- ライフライン(電気・ガス・上下水等)に関する施設
近隣の方が便利になるような施設がメインになります。
第一種低層住居専用地域の建蔽率や容積率
第一種低層住居専用地域の建蔽率や容積率については、建蔽率は30%~60%。容積率は200%までがほとんどです。
行政によっての違いや地区協定などがある場合があり、敷地と道路の状況によって影響するので、その都度確認が必要になります。
第一種低層住居専用地域で気を付けたい高さ制限や隣地斜線
第一種低層住居専用地域では高さなどにも気を付けなければいけません。
絶対高さとして10m、敷地の周囲に広い公園、広場、道路がある場合が12mなど、厳しい制限があります。
屋根の勾配や基準的な階高で計画すると、ほぼほぼ2F建の建築物になってきます。
他にも隣地斜線、道路斜線があり、第一種低層住居専用地域ではそこまで大きい道路に面することが少ないので、様々な検証が必要になります。
第一種低層住居専用地域で建てれる建築物の種類や特徴。用途地域の解説編① まとめ
今回は「第一種低層住居専用地域」について紹介しました。
用途地域の中でも一番身近な内容なので、新しく住宅などを建築する方など、知っておいて損することはありません。
後の事を考えても、高い建物が建築される可能性も低いので、環境もいいかもしれませんね。(道路を境に用途地域が変わっているところもあります)
次回は「第二種低層住居専用地域」について紹介します。