建築業界には「建築士」や「建築施工管理技士」やなど専門的な資格がいくつかあり資格を保有しておかないとできない独占業務など、いくつかルールが存在しています。
有資格者の高齢化や社会情勢の変化もあり、試験制度などが見直さてきています。
今回は「一級建築施工管理技士」について解説します。
オススメ建築系資格
目次
一級建築施工管理技士はどんな資格か

一級建築施工管理技術検定とは?
一級建築施工管理技術検定はどんな試験か?
一般財団法人建設業振興基金が実施している資格には「建築施工管理技術検定試験」と「電気工事施工管理技術検定試験」の2種類の資格があります。
建設現場の多様化や、専門的かつ高度になるにつれ、それに相応しい施工管理技士の重要性が問われます。
「建築」の方では「一級建築施工管理」と「二級建築施工管理」があり、それぞれ一般建設業や特定建設業の許可基準である営業所ごとに置かなければいけない専任の技術者、現場に置く主任技術者、監理技術者の有資格者として認められます。
一級建築施工管理技士の場合は以下の項目の特定建設業と一般建設業の専任技術者になることができます。
- 建築一式工事
- 大工工事
- 左官工事
- とび・土工・コンクリート工事
- 石工事
- 屋根工事
- タイル・れんが・ブロック工事
- 鋼構造物工事
- 板金工事
- ガラス工事
- 塗装工事
- 防水工事
- 内装仕上工事
- 熱絶縁工事
- 建具工事
- 解体工事
工事現場のリーダー、施工管理の最上級の資格とも言えそうですね。
試験自体は「学科試験」と「実地試験」に分かれており、「学科試験」は全問マークシート、「実地試験」は自由記述試験の筆記になっています。
一級建築施工管理技士試験の受験資格

一級建築施工管理技士試験の受験資格について
建築施工管理技士の受験資格は建築士の試験より少し複雑です。
受験資格を満たしていても、「1年以上の指導監督的実務経験」などが求められるからです。
下記の①から⑦までに該当できた場合、学科試験の資格を得ることができます。
- 学歴が大学 専門学校の「高度専門士」の場合指定学科卒業後、3年以上の実務経験。指定学科以外は4年6ヶ月以上の実務経験
- 学歴が短期大学 5年制高等専門学校専門学校の「専門士」の場合指定学科卒業後、5年以上の実務経験指定学科以外は7年6ヶ月以上の実務経験
- 学歴が高等学校、専門学校の専門課程の場合指定学科卒業後、10年以上の実務経験指定学科以外は11年6ヶ月以上の実務経験
- 学歴関係なく15年以上の実務経験
- 二級建築士合格後で、合格後5年以上の実務経験
- 二級建築施工管理技術検定合格者で、合格後5年以上の実務経験
- 二級建築施工管理技術検定合格者で実務経験が5年未満の場合、学歴と実務経験年数などによって受験可能
上記のようにに分かれています。
建築士試験の受験資格に似ていますが少し違ってきます。
試験も「学科試験」と「実地試験」に分かれており、年間を通しての受験になると思われます。
また一級建築士は学科が免除になったりするので、実地試験に特化して対策することも可能です。
一級建築施工管理技術検定の試験日程
一級建築施工管理技術検定の申込み
試験の申込は毎年 2月 初旬〜2月中旬頃。
インターネットと書面との両方の申込み方法がありますが、インターネットでの申し込みは、前年の学科合格者か再受験者に限定されます。
余裕を持って申し込みたいですね。
詳しくは「社団法人 建設業振興基金 施工管理技術検定」のHPで公開されます。
一級建築施工管理技術検定の試験日
学科試験 6月第2日曜
実施試験 10月第3日曜
建築士の試験スケジュールより、少し余裕があります。
試験地が札幌・仙台・新潟・東京・名古屋・大阪・高松・広島・福岡・沖縄の主要都市に限られるので、少ない回数で合格したいですね。
一級建築施工管理技術検定の試験内容
一級建築施工管理技術検定の学科試験
一級建築施工管理技術検定の学科試験は「建築学」「施工管理法」「法規」の科目に分かれ、「建築学」では、建築一式工事の施工に必要な建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学や、設計図書に関する知識。
「施工管理法」では、施工計画の作成方法、工程管理や品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する問題が出題されます。
解答は択一式のマークシートになっています。
建築士の試験よりも「施工」を中心とした問題が多く出題されるので、それなりの対策が必要です。
学科試験の合格は、約1ヶ月後にボードページで受験番号が公表されます。
一級建築施工管理技術検定の実施試験
一級建築施工管理技術検定の実地試験は、「施工管理法」の内容について記述式による筆記試験になります。
試験基準や過去問題なども、ホームページなどで確認しておきましょう。
一級建築施工管理技術検定 まとめ
一級建築施工管理技士の資格を取得することによって、建設業許可に必要な各営業所に配置する専任技術者や現場に設置が求められる主任技術者・監理技術者の技術者要件として認められます。
実務や作業が工業化・AI化されていく中で、有資格者は、今まで以上に重宝される存在になる可能性があります。
試験対策の期間はツラいですが、早めに取得しておくのもいいかもしれません。