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建築基準法を知って売買契約や賃貸契約で得する方法。失敗しない住宅計画の基礎知識

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街中の住宅は、色々な理由があって、今の形で建てられています。
道路や土地の形状も影響するのですが、住宅を建てる時に一番影響を与えるのが「建築基準法」です。

その「建築基準法」を少しだけ分かりやすく解説していいきます。

昭和25年に制定された、「建築物の敷地・構造・設備の最低の基準」を設けた、国民の健康と財産の保護などを目的とした法律です。

分かりやすく言うと、これぐらいは最低限守って住宅などの建築物を建ててくださいという最下限のルールになります。

色々な専門用語があるのですが、中には独特な表現があり、一般の方には馴染みにくいものも多いです。

その中で、建築基準法の中で出てくる「言葉の定義」を少し解説します。

建築基準法に出てくる「用語の定義」

建築基準法では、それぞれ用語・言葉の意義を定めています。

用語の解釈や、意味の違う捉え方をすると、正しく物事が伝わりません。

そのために、「この言葉はこういう意味ですよ」と、ある程度の指針的な意味をルールで定めています。

例えば、「建築物」とは土地に定着する工作物のうち、屋根及び若しくは壁を有するものと定めています。

それとは別に「プラットホームの上家」や貯蔵槽は除くと記載されており、建築物かどうかの線引きを定めています。

*一般の方は工作物?壁を有する?となるので、ここはスルーしましょう😓

また学校や百貨店、共同住宅や工場など、普段街中で見かける施設などは、建築基準法では「特殊建築物」として分類されます。

ちなみに倉庫自動車車庫特殊建築物です。

賃貸ではほぼないと思いますが、売買で土地や建物を購入する場合、もし建物とは別に車庫倉庫を建築したいと思っている場合は注意が必要です。

確認申請(建築を建てる時に出す書類みたいなもの)が必要で別途申請費用が掛かったり、そもそも建てれないという状況も考えられます。

土地などの下見の際や、住宅の依頼するハウスメーカーや設計事務所の方に、計画段階で聞いておきましょう

話を戻して、建築用語の中には「建築設備」や「居室」の意味など日常生活から推測できる言葉も多いのですが、新築工事やリフォーム工事で度々出てくるのが「主要構造部」や「延焼の恐れのある部分」「大規模の修繕」「大規模な模様替」です。

建築基準法で出てくる「主要構造部」

建築用語の主要構造部とはの参考画像

建築用語の主要構造部とは

はり屋根階段の事をいいます。

簡単に言うと、住宅や建築物を支えている重要な部分です。

構造上重要でない間仕切壁や間柱、附け柱、揚げ床、ひさし、小はり、最下階の床や屋外階段などは除かれます。

ここでの注意も、リフォームなどで、何の根拠もなく、主要構造部撤去したりする提案をしてくる会社や担当者に気を付けることです。

(間取りを広くするためやお風呂を広げるために「」や「」を撤去するなど)

」や「」を撤去すると、家などは弱くなります。

それに対して、補強する内容も含めていたらいいのですが、それを考慮しない提案も見たことがあります。

しっかり打ち合わせの時に確認しておきましょう!

建築基準法で出てくる「延焼のおそれのある部分」

延焼とは、隣から火事が燃え広がることで、

建築の世界では、隣地境界線、道路中心線から、1階では3m、2階では5m内にある部分が延焼ラインとして設定されています(防火関係は後ほど)

ちなみに隣が公園や川などの場合は除かれます

建物を新築する場合などは、軒裏開口部(窓など)が延焼ラインと干渉してきた場合、材料が限定されたりします。

建築基準法で出てくる「大規模な修繕・大規模な模様替」

建築物の主要構造部(柱、壁、床、はり、屋根、階段)の一種以上について行う過半の修繕・模様替えの事をいいます。

マンションなどの「大規模修繕工事」がよく散見されます。

あれは、品質が劣化した部分を既存のものと同じものに取り替えるため「修繕」にあたります。

例えば一戸建ての場合、「瓦屋根」から「スレート」の場合は、異なる材料で過半以上取り替えるため「模様替え」になります。

ここでの注意は、戸建て住宅で木造以外の住宅です。

鉄骨造RC造で「大規模な模様替」レベルの工事を行う場合、確認申請が必要になってくるからです。

中古住宅の場合、建築当時の図面が無かったりするので、確認申請が提出できるのか?という問題もでてきます。

気になった物件などがあった場合は、不動産業者の方に、考えているリフォームの計画も聞いておくのが得策です。(不動産業者の方も分からない方が多いです)

単体規定・集団規定

建物のルールは単体規定、地域の規定は集団規定の参考画像

建物のルールは単体規定、地域の規定は集団規定

もう一つ大きいルールの中で、「単体規定」と「集団規定」に分かれます。

単体規定は文字の通り、建物が単体としての技術基準を定めている内容になります。

建築物の構造や耐力、採光や換気などの安全性・居住性を確保するたの技術的規定・基準になります。

もう一方で「団規定」もあります。

集団規定建物が地域の中に、単体としてではなく、集団として存在すると考え、それをもとに建築を制限することをいいます。

敷地・道路状況の関係、用途地域や建蔽率・容積率など規定で、周辺環境との取り決めの内容になっています。

面積の算定方法

敷地面積は、敷地を真上から見たときの水平投影面積になります。

※水平投影面積はよく出てきます。(凹凸や斜面があっても考慮されない、純粋に真上からみた状況です。平面図を見ている形です。)

同じ敷地面積でも、敷地内で高低差があったり道路への接地状況で意味合いが変わってくるので注意が必要です。

建築面積は、建物の外壁又は中心線で囲まれた部分の水平投影面積になります。

*オーバーハング上(跳ね出し)の建物や、庇、バルコニーが大きい家は注意が必要です。
床面積は、各階の壁その他の区画の中心線で囲まれた面積です。

*ピロティや屋外階段、ポーチ、バルコニーなどは含まれません。
延べ床面積は建築物の各階の床面積の合計のことになります。

*吹き抜けなどは、延べ床面積に参入されません。

容積率・建蔽率

建蔽率(けんぺいりつ)とは、敷地面積に対しての建築面積の割合です。

敷地100㎡ 建蔽率60%の場合

100㎡(敷地面積)×0.6(建蔽率60%)=60㎡(この敷地に対する最大の建築面積)

多くは30%から60%に分類され、用途地域などによって、建蔽率は定められています。

また角地の条件で建蔽率+10%や、「防火地域の耐火建築物」で建蔽率+10%など、緩和される条件もあります。


容積率は、敷地面積に対する、立面空間(延床面積)の割合です。

敷地面積100㎡ 容積率 200%の場合

100㎡(敷地面積)×2(容積率200%)=200㎡(この敷地に対して最大限可能な延床面積)

こちらも、用途地域・都市計画で定められています。

また建物に地下室がある場合や、ビルトインガレージなど緩和される条件もいくつかあります。

建築物の高さ制限

高さ制限や斜線制限を理解するの参考画像

高さ制限や斜線制限を理解する

建築物は無制限の高さで建築することができません。

都市計画や用途地域というルールによって、上限が設けられています。

隣の敷地や道路の、日当たりなどを確保するためです。

大きく分類すると

絶対高さ制限

道路斜線制限

隣地斜線制限

北側斜線制限

上記の4つに分かれます。


絶対高さ制限」は第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域に定めているルールで建築物の高さは、10m又は12mのうち、都市計画で定められた高さを超えてはならないルールです。

住宅でしたら、屋根の形状や居室の天井高さ次第では3階建て設けられ可能です。

2階建てのアパートや共同住宅が多いのも「絶対高さ制限」のルールが影響しています。


道路斜線制限」は道路側の日当たりを確保するためのルールです。

道路斜線制限」は全用途地域に適用になるので、建築が建てれる敷地に面している道路が対象になってきます。

解説すると、敷地と接している道路反対側の境界線までの、1.25倍か1.5倍以下の勾配に高さは制限されます。

道路斜線制限」を考慮せずに土地を購入してしまい、希望していたプランの家を建てれない話も聞きます。


北側斜線制限」は以下の用途地域に適用になります。

第一種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域

住居系の地域に適用されるルールで、建物の間取りや、外観に大きく分類影響します。

敷地の北側の境界線上に高さ(地域によて5m10m)を取り、そこから一定の勾配(1:1.25)で設定した斜線が「北側斜線」になり、建築物はこれを越えて建築はできません。

隣地の太陽の日照を守るための法律でもあります。

道路と敷地

建築と道路は必要不可欠な存在の参考画像

建築と道路は必要不可欠な存在

不動産の購入や住宅の計画をする上で重要なポイントの一つに「道路」があります。

その道路が、どういう種類の道路に該当し、大きく分け「公道」なのか「私道」なのか?

その内容によっては、将来的な費用や、権利についても影響を及ぼします。

道路については、建築基準法の中でも「第42条」で定義付けされており、幅員4m以上の道路のことをいいます。

(例外的に特定行政庁が指定する道路や、都市計画法や土地区画整理などによる道もあります。)

原則この「道路」に面した敷地でなければ建築物を建築することができません。

接道していない状況を「無接道」と言い、不動産情報でも「再建築不可」という表記の物件をいくつか目にします。

敷地が道路に繋がっていないので、建築ができないからです。(災害や避難、緊急車両の対応などがあるからです。)

しかし市街地などでは、現に存在する建物が建ち並んでいるため、幅員4m以上の道路に接していない敷地があります。

幅員4m未満の道でも、特定行政庁が指定した道路は、建築基準法上の「道路」とみなされます。

幅員4m未満の道路を「みなし道路」や「42条2項道路」という形で表し、その代わり、道路の中心線から2m後退の線を「みなし境界線」とし、建築物や工作物を建築することができません。

この2m分を後退することを「セットバック」と言います。

また建築物を建築する場合の敷地は、幅員4m以上の道路に、2m以上接道していなければいけません。

緊急時の緊急車両の通行などを考慮された内容です。

土地の形状や、その土地にどんな建物が建つかなどが優先されがちですが、道路の状況の確認も必須です。

将来的には、家具や家電の買い替えにも影響してくる土地・道路状況もあるくらいです。

土地・建物の購入時に気を付けたいこと

今回説明した分でまとめると

  • 建築予定の土地に、倉庫自動車車庫の構想がある場合は早めに相談
  • リフォームで「主要構造部」を変更する場合は、理由の確認
  • RC造や鉄骨造の場合、大きいリフォームの計画は、出来ないことがあるので注意が必要
  • 図面(平面図)だけでは、敷地の高低差の読み取り内部の天井高さの把握に限界があり
  • 建ぺい率も条件などによっては「角地緩和」なども使える場合があり。
  • 吹き抜け大きめのバルコニーがある所は、面積にも影響あり
  • 斜線制限の影響で、建物の形に影響がでることも(天井の高さなども)
  • 敷地の前の道路が狭い時はセットバックが発生するかも
  • 再建築不可の土地に注意!
  • 3階建てが建てれる地域かも事前に確認

住宅関係は高い買い物ですから、後から「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、早めに建築士やプロの方に相談することをお勧めします。

建築士でも専門分野に分かれていたりするので、住宅の新築やリフォームの経験がある方に相談しましょう(一級建築士でも住宅建築に関わっていない人はたくさんいます

また随時更新していきます。

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  • この記事を書いた人

archi

普段は設計メインの建築エンジニア。 休日は趣味(スポーツ・遊び)を堪能する1児の父。 ハウスメーカーやデベロッパー、設計事務所などを渡り歩き、住宅から大規模建築まで様々な分野を取り扱うストロングスタイル! 所有資格/建築士/宅建士/AFP/古民家鑑定士/福祉住環境コーディネーター/大型免許・大型二輪/一級小型船舶免許操縦士他

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