建築業界に数多くの作品を残してきたデンマークの建築家アルネ・ヤコブセン。
建築だけでなく、家具デザインの分野にも精通されていました。
今回は、アルネ・ヤコブセンのインテリアについて紹介していきます。
目次
アルネ・ヤコブセンとアントチェア
1952年に発表されたアントチェア
出典:Wikipedia
特徴的な形をしている「アントチェア」
アントの言葉が表すように「蟻」の形状をしている椅子になります。
当時の家具デザインでは珍しい、背座一体型での三次元曲面を実現しており、デンマークの製薬会社「ノボノルディスク社」の社員食堂用の椅子として誕生しています。
デザイン誕生当初は3本脚で生産されていましたが、アルネ・ヤコブセンの死後、安定性が重視し4本脚のタイプが誕生しています。
「アントチェア」は、後に発表される「セブンチェア」の元となっています。
アルネヤ・コブセンとスワンチェア
1958年に発表されたスワンチェア
出典:Wikipedia
「スワンチェア」は、デンマークのコペンハーゲンにある、アルネ・ヤコブセン自ら設計したSASロイヤルのロビー・レセプションエリアのために、エッグチェアと共にデザインされた作品になります。
曲線のみで形成されたデザインが特徴的で、「スワン」の名の通り、白鳥のフォルムをイメージした姿が利用する人を包み込みます。
アルネヤ・コブセンとエッグチェア
1958年に発表されたエッグチェア
出典:Wikipedia
「エッグチェア」も「スワンチェア」と同様に、SASロイヤルの建築デザインと併せて設計され、卵のように包み込むような形状から「エッグチェア」と名づけられました。
「エッグチェア」の誕生は、自宅のガレージで粘土を使って試行錯誤しながら、シェルの完璧なファルムを探究したとも言われています。
シェルの張地の下に硬い発泡材を使用するという技法も、いち早くエッグチェアに取り入れられています。
アルネヤ・コブセンとセブンチェア
1955年に発表されたセブンチェア
出典:Wikipedia
「セブンチェア」は、「アントチェア」が開発された3年後の1955年に発表されました。
アントチェアに対する顧客からの要望を汲み上げ、それらを補う形で「セブンチェア」は誕生しました。
見た目の美しさだけでなく、機能面でも人気があります。
アントチェアより広がった背もたれは、心地よい座り心地を実現し、ダイニングテーブルや勉強机など様々な用途にも合わせることができます。
アルネ・ヤコブセンと名作チェア「アントチェア・スワンチェア・エッグチェア・セブンチェア」 まとめ
今回はアルネ・ヤコブセンの代表作ともいえる名作チェア「アントチェア・スワンチェア・エッグチェア・セブンチェア」について紹介しました。
現在でも一部のメーカーで取り扱っており、購入することも可能です。
カラーバリエーションも豊富で、現代のインテリアにも合わせやすいデザインは時代を隔たりも無くしてくれます。
アルネ・ヤコブセンの家具については、建築士やインテリアコーディネーターなどの資格試験にも出題されるので、代表作だけでも覚えておきたいですね。
また違う建築家のインテリアの作品についても紹介したいと思います。