5月23日からオープンしている安藤忠雄ギャラリー(兵庫県立美術館)に行って来ました。
料金は無料で、兵庫県立美術館内にある第2展示場の方で開催されています。
安藤忠雄氏の兵庫県に関わる作品を中心に、今までの作品の建築模型や、ドローイングなどが展示されています。
建築好きなら目からウロコのような内容になっており、偉大な功績を一部体感できます。
目次
安藤忠雄ギャラリー 詳細
日時 冷和元年5月23日〜
定休日 兵庫県立美術館の定休日に準ずる
観覧時間 午前10時~午後6時(特別展開催中の金土 〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金 無料
場所 兵庫県立美術館 第2展示場
兵庫県にある安藤作品の展示
兵庫県立美術館
メインである、兵庫県立美術館に関係する内容も、もちろん展示されています。
建築模型から始まり、工事中の写真やデザイン完成までのプロセスなど、幅広い内容になっています。
ギャラリーの外になりますが、有名な「青いリンゴ」も展示されていて、意味など概要を目に通すと、シンプルかつ深い内容が込められおり、こちらも気持ちが引き締まりました。
六甲集合団地
1983年に竣工した六甲にある集合団地も、模型や概要、竣工状況などが展示されています。
傾斜地に建築されている状況などを、上手く模型で作り込まれており、デザインと工事の難易度が垣間見れます。
淡路夢舞台
2000年に開業された、淡路島にある淡路夢舞台も、作品のプロセスなどが展示されています。
複合のリゾート施設として建設され、ホテルや劇場、植物園など、遊歩道やデッキで繋がっており、巨大な庭園としても形成されています。
着工直前に阪神大震災に直面など、設計変更など伴いましたが、完成後は国内だけに留まらず、世界中から色々な人を集めています。
展示されている安藤作品(国内)
住吉の長屋
住吉の長屋は、安藤忠雄氏の出世作とも言われる作品になります。
1976年に竣工し、1979年に日本建築学会賞を受賞している作品になります。
長屋と言うだけに、3軒長屋の真ん中を解体し、限られた条件の中で完成に、至ります。
建物自体は、間口2間(約3.6m)の2階建鉄筋コンクリート造の狭小住宅で、道路側には窓を設けず、通風や採光などは中庭から取り入れるように工夫されています。
安藤忠雄のコンクリート打ちっぱなしの原点とも言える作品の一つです。
光の教会
大阪府の茨木市にある茨木春日丘教会、通称「光の教会」も模型が展示されていました。
模型の材質もモルタル?に似た素材で作られており、実物をそのまま縮小したように構成され、メインの十字架の所からの光の捉え方と、建物のスケール感が体感できます。
直島(地中美術館、ベネッセハウス、ANDO MUSEUM)
ギャラリーの上階には、瀬戸内海に浮かぶ島、香川県の直島で建築された安藤作品の関連物が展示されています。
それぞれの建築のコンセプトから、島の自然との調和方法など、今までとは違う安藤作品になっています。
展示されている安藤作品(海外)
プンタ・デラ・ドガーナ
ギャラリーの最上階には海外作品の模型が一部展示されていますが、一番の見所といえば「プンタ・デラ・ドガーナ」ではないでしょうか?
プンタ・デラ・ドガーナはイタリアのヴェネツィアにある美術館で、2006年に安藤忠雄氏が改修計画を開始しました。
元々は1682年にオリジナルのレンガで建てられた税関施設を、安藤作品のモチーフでもあるコンクリートなどで補強するという流れです。
歴史ある素材と、現代技術とのバランス、海上都市という条件の中、2009年に完成、美術館として開館し、3000点以上もの作品が収容されています。
ブルス・ドゥ・コメルス
プンタ・デラ・ドガーナと同じく、フランスの「ブルス・ドゥ・コメルス」の模型などの関連作品も展示されています。
ブルス・ドゥ・コメルスは、グッチなどを傘下にもつ、フランソワ・ピノー財団との共同計画であり、安藤忠雄氏とは、「パラッツォ・グラッシ」「プンタ・デラ・ドガーナ」「テアトリーノ」に続く形の計画になります。
プンタ・デラ・ドガーナと同じように、元々は取引所だった建物を、美術館へと改修する内容になります。
コンクリートの特徴を生かし、元々の内装を考慮しながら細部までこだわる部分は安藤建築の見せ所の一つになるのではないでしょうか?
建築好きの方や、そうでない方にも楽しめるギャラリーになってます。
それぞれの建築のデザインが完成するまでのプロセスや、想いやコンセプトに触れることができ、今までとは違う側面で安藤建築を見ることができました。
これからも日本の建築業界を引っ張っていく存在で居続けてほしいものです。